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2011・IRC参戦概要 SUBARU×YOKOHAMAへの期待 IRCで見せたい“ジャパン・パワー”
 
 
新井敏弘選手と奴田原文雄選手。
PWRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)をはじめ、国内外のラリーシーンで活躍を続けている日本を代表するトップラリーストのお二人が、IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)への参戦を発表した。

この新たなチャレンジに、横浜ゴムはADVANラリータイヤ「ADVAN A006T(ターマック用)」と「ADVAN A053(グラベル用)」を供給。マシンは富士重工業がグループN車両の戦闘力をさらに高めるために開発したグループR4規定仕様の「スバルWRX STI spec C」を使用する。

IRCは既に去る1月のモンテカルロラリーで2011年シーズンが開幕。
今シーズンは全12戦のカレンダーが組まれているが、新井選手は5月12日から14日にかけてフランスで開催される「ツール・ド・コルス」を皮切りに全5戦に出場。一方の奴田原選手は7月14日から16日にかけてポルトガルで開催される「ラリー・アソーレス」から全3戦に出場を予定している。

チーム体制は新井選手が「TEAM ARAI」、奴田原選手が「ADVAN Team Nutahara」という名称を予定しており、ともにヨーロッパの現地スタッフやエンジニアで構成されることになる。コ・ドライバーについては新井選手がオーストラリアのベール・モスキャット選手を起用の予定。奴田原選手は昨年のIRC・チェコにスポット参戦した際にもコンビを組んだ市野諮選手となる。

マシン、タイヤ、そしてドライバーと、“ジャパン・パワー”を結集してのIRCへの新たなチャレンジ。
PWRCでは過去に2回のチャンピオンを獲得している新井選手、そして日本人として初のモンテカルロラリー優勝や全日本ラリー選手権で通算9回のチャンピオンに輝いている奴田原選手。
IRCという新たな戦いのステージでの活躍には、世界のラリーファンから熱い視線が送られることになる。
 
 
IRCは2007年に発足した国際的なラリーシリーズ。FIA(国際自動車連盟)が公認し、横浜ゴムがワンメイクタイヤサプライヤーをつとめているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)と同じく、ヨーロッパのスポーツ専門テレビ放送局「ユーロスポーツ」が運営を担っている。
IRCは世界各国に「ユーロスポーツ」のネットワークでテレビ放送されており、さらにインターネットでの動画配信なども行われていることから、世界中のラリーファンから寄せられる注目は年々高まりつつある。

IRCに参戦出来るマシンは、S2000やグループR2/R3/R4規定などを含んだグループN車両と、エンジン排気量2,000ccまでのグループA車両が基本。
シリーズ争いはIRC登録選手全体を対象としたランキングに加え、2輪駆動車両での参加選手を対象とした「IRC 2WD Cup」や、プロダクション資格を有する選手が競い合う「IRC Production Cup」などがある。
またマニュファクチャラー同士のタイトル争いも注目のポイント。スバルをはじめ8つのブランドがマニュファクチャラー登録を行っており、こちらは各大会での上位2台の順位によって加点されていく仕組みとなっている。
なお、これらのシリーズ争いは有効ポイント制度の下で競われ、ベスト7戦のポイントによって順位を決することになる。

ところで国際ラリーシリーズといえばWRC(FIA世界ラリー選手権)が広く知られる存在だが、IRCとの違いについて触れておこう。
細かな規則の違いもあるが、なにより両者の違いとして大きいのはその“雰囲気”である。あくまでも統一されたフォーマットに沿って粛々と開催されている印象のWRCに対して、IRCはより大会毎の個性が明確である。
そもそもIRCはモンテカルロ・ラリーをはじめとして、各地で長年に渡って開催されてきた伝統ある大会を中心にシリーズが形成されている。2011年はさらにこの“大会毎の伝統”を重んじる傾向が強まり、例えば新井選手が参戦する「ツール・ド・コルス」は原点回帰を掲げて、コルシカ島の全域を巡る往年のスタイルで開催されることになっている。

この他でも、昨シーズン奴田原選手がスポット参戦を果たしたチェコの「ラリー・ズリーン」は、夜間に市内中心部の公道を封鎖してSS(スペシャルステージ)が設けられるという、およそ日本では考えられない興味深いスタイルで行われる。
また、「ラリー・アソーレス」が行われるアソーレス諸島は、ポルトガル西海岸の沖およそ1,400kmという大西洋の真ん中に浮かぶ絶海の孤島とも言えるロケーション。しかし島は高級リゾート地という顔も持ち合わせており、青い海と空をバックにしたラリーマシンの競演はぜひ観戦してみたくなる素晴らしい眺望の良さである。


Round 開 催 日 開催国・地域 大会名称 路 面 参戦予定
新井選手 奴田原選手
Round 1 01月18日-22日 モナコ モナコ Rallye Monte-Carlo ターマック    
Round 2 04月14日-16日 スペイン スペイン Rally Islas Canarias ターマック    
Round 3 05月12日-14日 フランス フランス Tour de Corse ターマック  
Round 4 06月02日-04日 ウクライナ ウクライナ Prime Yalta Rally ターマック    
Round 5 06月23日-25日 ベルギー ベルギー Geko Ypres Rally ターマック    
Round 6 07月14日-16日 ポルトガル ポルトガル Sata Rallye Acores グラベル
Round 7 08月26日-28日 チェコ チェコ Barum Czech Rally Zlin ターマック  
Round 8 09月09日-11日 ハンガリー ハンガリー Mecsek Rallye ターマック  
Round 9 09月22日-24日 イタリア イタリア Rallye Sanremo ターマック    
Round 10 10月07日-09日 イギリス イギリス RACMSA Rally of Scotland グラベル
Round 11 11月03日-05日 キプロス キプロス Cyprus Rally ミックス  
【路面】 ターマック : 舗装路面、グラベル : 未舗装路面、ミックス : 舗装と未舗装の両路面が混在
 
 
今回の新井選手と奴田原選手の参戦では、前述のように横浜ゴムの「ADVANラリータイヤ」と富士重工業の「スバルWRX STI spec C」によるタッグが実現した。

スバルWRX STIは国内外のラリーシーンでは既にお馴染みのマシン。WRC(FIA世界ラリー選手権)をはじめ、まさに世界中のラリーステージで磨き上げられた高い戦闘力は折り紙付きである。
1994年1月に初代インプレッサで誕生した「WRX STI」。二代目、そして現行型の三代目へとインプレッサが進化を続ける毎に、「WRX STI」もそのポテンシャルを昇華させてきた。

そして今回のIRC参戦。
スバルは昨年からマニュファクチャラー登録をしているが、今シーズンからはグループR4キットを開発して実戦に投入する(2011年4月20日現在、富士重工業はFIAに公認申請中)。
S2000車両よりも改造範囲が厳しく制限されているグループN車両だが、グループR4仕様とすることによって競争力が向上。車両重量の軽量化を図れるとともに、サスペンションの変更や冷却性能の向上によって、S2000と拮抗した戦いを演じることが期待されている。


この「スバルWRX STI spec C」の走りを支えるのが、横浜ゴムの「ADVANラリータイヤ」だ。

PWRCやAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)など、海外のラリーシリーズでも強さを見せてきたADVAN。2006年の奴田原選手による日本人として初めてのモンテカルロラリー優勝や、昨年のAPRCで炭山裕矢選手がアジアカップを獲得したことなどは記憶に新しいところだ。

これらをはじめとした幾多の栄冠を手中におさめてきた「ADVANラリータイヤ」。ターマック(舗装路面)用の「ADVAN A006T」と、グラベル(未舗装路面)用の「ADVAN A053」を擁して、“勝てるタイヤ”の開発を進めている。


2011年、IRCで実現する強力なタッグ。
長くスバル車で戦ってきた新井選手と、同じく長年に渡ってADVANで戦ってきた奴田原選手。二人のトップラリーストが繰り広げる戦いぶりには、大きな注目と期待が寄せられる。


【>> 新井敏弘選手&奴田原文雄選手 特別対談(1) につづく】
[UPDATE : 20.Apr.2011]
         
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