2010年のD1グランプリは、久々にシリーズに復活した東京・お台場を舞台に開幕。全7戦の長く熱い戦いの火蓋がいよいよ切って落とされた。
「今年が最後」と言われ続けて来たここお台場でのD1だが、 残念ながら地域再開発との兼ね合いによって今回が本当に最後になってしまいそうだ。

コースレイアウトは、1コーナーまでの直線が若干伸びた以外は基本的には昨年と同じレイアウト。
決勝が行われた土曜日は、気温は低いながらも朝から大勢のドリフトファンが会場を訪れ、コースサイドの観覧席は満員の大盛況。"駅前ドリフト"として親しまれてきたお台場でのD1、シリーズ公式戦の開催は2005年以来となるので、詰めかけたファンの期待も大きいようだ。

まずはベスト16を賭けた単走1回戦。
ここで満員の観客を驚かせたのが織戸学。なんとADVANカラーに包まれたJZA80・スープラに乗って登場だ。新たに作り上げた、往年のSUPER GTマシンを彷彿とさせるこのスープラで快走を見せた織戸は1回戦を4位で通過した。

反対に調子が上がらないのがCZ4A・ランサーエボリューション�]を駆る、チームオレンジの熊久保信重。1本目ではまさかのスピンを喫してしまい、15位という熊久保らしからぬポジションでの1回戦通過となってしまった。

2本目の1コーナーの進入で壁にヒットするも、11位で通過したのはFD3S・RX-7を駆る高山健司。さらに内海彰乃は8位で通過、この二人は勢いに乗ると面白い選手だけに楽しみだ。
またD1・USAで活躍するJZZ30・ソアラのサミュエル・ヒュビネットは6位で1回戦を通過。初めての右ハンドルを見事に乗りこなしてみせた。

6名のYOKOHAMA勢が進出したベスト16。いよいよ2005年以来となるシリーズ戦の追走トーナメントがスタートする。

織戸はUZZ40・SC430の松川和也と対戦。
ニューマシンを得て勢いに乗る織戸だが、2本目に松川と共にスポンジバリアに 突っ込むアクシデントに見舞われてしまう。しかし幸いにマシンへのダメージは少なく、無事にベスト8へと進出を果たした。

YOKOHAMA勢同士の戦いとなった高山とサミュエル。
1本目こそ僅差の争いとなったが、2本目でサミュエルの一瞬の振り遅れが響き高山に軍配が上がる。

熊久保は1回戦を2位で勝ち上がったAE86を駆る日比野哲也と対戦。
接戦を演じる2人の対決はサドンデスに突入。ここで熊久保が振り出しにひっかかり勝負あり。 エボ�] vs ハチロクの戦いは、エボ�]熊久保のまさかの敗退という形に終わってしまった。

ベスト8進出を決めたYOKOHAMA勢は織戸と高山の2名。

織戸はS15・シルビアの今村陽一と対戦。
このまま一気にベスト4を狙いたい織戸だが、ここにきて失速してしまい2本とも今村にアドバンテージを奪われてしまい敗退。しかし新たにADVANカラーを纏ったマシンを駆る織戸の走りは開幕戦でもっとも注目を集めた存在であったことは間違いなく、今シーズンの好走に期待したい。

高山 vs 末永正雄のRX-7対決。
ベスト8進出によって初のシード権獲得を決めた高山は、ここでも互いに引かぬ接戦の好勝負を演じて勝敗はサドンデスに持ち越された。
残念ながらサドンデスで高山は敗退となってしまったが、開幕戦から見せた好調な走りは第2戦以降の戦いぶりも大いに楽しみなところだ。


なお今回、女性のための入門カテゴリー、「2010 D1レディースリーグシリーズ」の開催が発表された。
D1ストリートリーガルシリーズインターシリーズの併催イベント として全6戦を開催。6戦終了後のランキング8位までの選手による レディースリーグ決定戦を、11月7日に筑波1000で行われるストリートリーガル全国大会と併せて開催するシリーズでこちらも注目を集めそうだ。


(文中敬称略)