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DRIFT 2008
/ Round 5
News Index
開催日程
2008年8月2日(土) 〜 3日(日)
開催会場
オートポリス (大分県)
天 候
晴れ (決勝)
路 面
ドライ (決勝)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
今年もD1グランプリが九州に上陸。SUPER GTも開催される国際レーシングコース「オートポリス」で、2008年シリーズの第5戦が開催された。
コースは昨年までと同様に通常のレースとは異なる逆走で使用、ロケーションを活かした超高速ドリフトの競演が繰り広げられた。
ストレートスピートは200km/hを超えるマシンも珍しくないオートポリスでのD1だが、今回の審査ではストレートのトップスピードは対象とならず、あくまでもコーナー進入速度の速さが重要視された。これにより小排気量のマシンや比較的パワーの小さいマシンの活躍も期待された。
さて今回のオートポリス戦で大いに話題となっていたのは、SUPER GTでも活躍する織戸 学がエントリーしていたことである。実に3年ぶりとなるD1への復帰は、SUEPER GTでもステアリングを握るレクサスIS350で実現した。
しかし残念ながらマシンの完成度がいま一つで、金曜日の練習走行からトラブルを抱えてしまう。そして土曜日にエンジントラブルから走行を継続することを断念、決勝ではその姿をコース上で見ることは叶わなかった。
カレンダーも8月に入ったことで猛暑が予想されたオートポリス、しかし決勝日は気温こそ高いものの風がやや強く、思っていたよりは過ごしやすいコンディション。
10時45分から単走1回戦がスタート、直前に雨粒が空から落ちてきてヒヤリとさせたが、一瞬でおさまり最後までドライコンディションがキープされた。
1回戦を通過したYOKOHAMA勢は、熊久保信重(ランサー)、田中一弘(インプレッサ)、吉岡稔記(SC430)、上野高広(ソアラ)の4人。
迎えたベスト16トーナメント、最初に対戦に臨んだのは熊久保信重でドリフト侍(RX-7)とのカード。ここは先行した1本目からアドバンテージを獲た熊久保が貫祿勝ちをおさめた。
次に登場したYOKOHAMA勢は上野高広。昨年のオートポリス戦では決勝戦進出を果たしているだけに、審査員も上野の走りを「美しさに、今年は迫力が加わった」と評して期待を寄せた。
対戦相手は現在ランキングトップの斉藤太吾(マークII)。1本目、後追いの上野は1コーナーの飛び込みで斉藤の先行を許すも、徐々に角度をつけて追いかける。しかし1コーナーでやや開いた感覚を詰めきれずに6:4でアドバンテージを奪われた。
2本目ではガッチリ五分の走りを見せたが1本目のアドバンテージを覆すには至らず、残念ながら1回戦で敗退となってしまった。
YOKOHAMA勢の3人目は吉岡稔記。1本目後追いの吉岡は1コーナーに160mほど手前から振り出して進入していく対戦相手の今村陽一(シルビア)に果敢に食いついていく。
2本目前後を入れ換えて先行となっても吉岡は今村のクイコミを許さない走りを披露。
しかし、ごく僅かの差で軍配は今村に上がった。それでも吉岡は確実にニューマシンの走りを極めつつ有り、審査員からも「残りの戦いで上位に来るだろう」と評された。
トーナメント1回戦、最後に登場するのは田中一弘。今季初めてのベスト16進出となった猪瀬 徹(シルビア)が対戦相手、1本目は後追いの田中に対して猪瀬も好走したが審査席の先で猪瀬がスピン。
結果的には2本ともにノーミスの走りを見せた田中が勝利、YOKOHAMA勢からはチームオレンジの2台がベスト8に進出を果たした。
ベスト8、熊久保の対戦相手は川畑真人(180SX)。昨シーズンまでの戦績では熊久保が圧勝している対戦カードだけに、熊久保の好走に注目が集まった。
しかし、ウォーミングアップ走行を終えてスタート位置に戻る熊久保のランサーに異変が。エンジン音がバラついており、まともに戦える状態では無くなってしまった。
急遽メカニックがマシンをチェック。対する川畑はスタートラインについたため、そこから5分間以内に熊久保もスタートラインにつかなければならないルールが適用となる。
懸命の原因究明が行なわれたが、刻々と時間が過ぎていき無念のタイムアップ。5分間ルールにより熊久保はまさかの不戦敗となってしまった。
熊久保の無念を晴らすべく、野村謙(スカイライン)との戦いに挑んだのが田中一弘。これまでの対戦成績は田中の1勝2敗というカードである。
1本目で先行する田中、追う野村も1コーナーに田中とほぼ同時に振り出すが、田中は野村のクイコミを一切許さず、対戦結果は五分。
2本目は田中が後追い、1コーナーの角度は野村に譲るも振り出しから一気にクイコミを見せてこの勝負も五分に持ち込み、サドンデスに突入。
サドンデス1本目も互角の走りを見せたが、コーナーの飛び込みで若干野村にアドバンテージ。そして2本目、こちらも両者一歩も引かない互角の勝負となったが、総合的に僅差で野村勝利との判定。
ベスト8でYOKOHAMA勢は姿を消す厳しい一戦となったものの、ニューマシンを駆る吉岡の健闘や、審査員から「今日の田中は迫力がある一方でミスは全くない」と称賛された田中の走りなど、見応えある戦いぶりを見せてくれた。
(文中敬称略)
オートポリスは例年通り、通常のレースとは逆走で使用するレイアウトで開催された。
ストレートで加速したマシンは右コーナーに飛び込んでいくが、上位陣の進入速度は150km/hのレベル。
D1のためにストレートには1コーナーまでの距離を示す看板が設けられたが、おおむね150m看板の辺りで振り出し、100m手前の「25番ポスト」では完全にカウンターが当たっていなければ減点対象とされる。
また1コーナーのクリッピングは必ずアクセルオンの状態でとることも求められた。
単走/追走ともにハイスピードで迫力ある走りが求められるが、追走ではドライバーの持っている「引き出しの数」、つまり状況に応じてどれだけ繰り出せるテクニックを持っているのかが試されることになるコースだ。