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WTCC 2014
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News Index
WTCC Round 5&6
開催日
2014年5月3日-4日
開催場所
ハンガロリンク(ハンガリー)
天 候
第1レース : 曇り
第2レース : 曇り
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 14周
第2レース : 14周
(1周 = 4,381m)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
>> Detail (カテゴリー紹介)
4回目の開催を数えるハンガロリンクでのWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、今年もグランドスタンドやコースサイドを大勢の観客が埋めつくす大盛況の中で行われた。F1マシンなどのデモンストレーション走行が大会に華を添え、地元ハンガリー出身のノルベルト・ミケリス選手を応援するファンの熱気がサーキットを包むなか、その勝負の行方は大いに注目されるところとなった。
モロッコ、フランスに続く3大会目となる今回からは、カンペンセイト(補正)ウェイトが発動される。直近過去2大会の結果を基に、一定の計算式により導き出された車種間の差を、ウェイト搭載によってバランスするというシステムだ。ここまでの2大会/4戦はシトロエン・C-エリーゼが負け無しの連勝中、ゆえにウェイトはシトロエンのみに加算されることとなり、他車よりも60kg重い状態でレースウィークを迎えた。
しかし、シトロエンの強さは想像以上のものだったと言えるだろう。
金曜のテスティング走行こそガブリエレ・タルクィーニ選手を筆頭にホンダ・シビック勢がトップ3を独占したものの、土曜のフリープラクティスは1回目がホセ・マリア・ロペス選手とイヴァン・ミューラー選手でワン・ツー、2回目になるとミューラー選手、セバスチャン・ローブ選手、ロペス選手でトップ3を独占する。
注目の予選は今季から3セッション制の勝ち抜き方式になっているが、Q3まで進出した5台はシトロエンの3台とシビックのタルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手。WTCC王者、WRC王者、F1経験者と強者揃いの顔ぶれになったが、Q3はミューラー選手が1分48秒727でトップタイム。ロペス選手が1分48秒761でこの二人が48秒台、以下ローブ選手、モンテイロ選手、タルクィーニ選手となり、シトロエンが第1レース(第5戦)のグリッドで上位を占めることとなった。
決勝は雨こそ免れたものの、灰色の雲が上空を覆う中でスタートを迎えた。
第1レース、フォーメーションラップを終えて各車グリッドオン、レッドシグナルが消灯して一斉にスタートとなる。しかしここで3番グリッドのローブ選手が痛恨のスタートミス、7番手にまで順位を下げてしまう。
その一方でシビックを駆るミケリス選手は地元ファンの声援にも後押しされたか、11番手グリッドから好スタートを決めてオープニングラップで6位にまで躍進する。
フロントローからスタートした2台のシトロエンは快調にラップを重ね、3番手のモンテイロ選手以下を引き離していく。3周を終えて2位のロペス選手と3位のモンテイロ選手の差は1.014秒だったが、6周を終えて2.365秒、10周を終えて4.794秒へと拡大。
そしてトップ争いについてもミューラー選手が14周の決勝で一寸たりともロペス選手に隙を見せることなく、貫祿の走りでチェッカーまでマシンを運んだ。
第5戦・ハンガリーもワン・ツー・フィニッシュを飾り、開幕5連勝を飾ったシトロエン。ミューラー選手は前戦ポール・リカールに続いて第1レースをポール・トゥ・ウィン、今季2勝目を飾ることに成功した。
また、TC2T車両によるYOKOHAMAトロフィーは、リキモリ・チーム・エングストラー勢のBMWが好調さをアピール。予選でトップを奪ったパスカーレ・デ・サバチーノ選手がエングストラー選手を従えてラップを重ねていったが、12周目のターン4でアウトに膨らんだエングストラー選手をサバチーノ選手がとらえて先行、そのまま逃げきって表彰台を手中におさめた。
短いインターバルをはさんで迎えた第2レース(第6戦)。リバースグリッドによりポールポジションにはヒューゴ・ヴァレンテ選手、セカンドグリッドにはジャンニ・モルビデリ選手、そして3番グリッドには開幕戦の大クラッシュから復活したトム・コロネル選手、4番手はトム・チルトン選手とシボレー・RMLクルーズTC1勢が上位グリッドを独占するかたちでスタートを迎えた。
注目のスタート、ここで勢い良くダッシュを見せたのが2番グリッドのモルビデリ選手と、7番グリッドのモンテイロ選手。モルビデリ選手はヴァレンテ選手をかわして1コーナーを奪うと、さらにイン側の空いたラインから一気に加速してきたモンテイロ選手が2番手で続いた。
モンテイロ選手はモルビデリ選手の背後にピタリとつけて、前に出る隙をうかがう。しかし、2006年にアルファ・ロメオ156を駆って以来、8年ぶりのWTCC参戦となるモルビデリ選手も、豊富な経験を有するドライバーだけに簡単に前に出すことは無い。さらにその後方ではヴァレンテ選手、コロネル選手、ミューラー選手、ロペス選手らが激しいポジション争いを展開するが、シトロエン勢にとってはコロネル選手が大きな障壁となって、なかなか前に出られない。
そのうちにヴァレンテ選手とコロネル選手の間隔が開き始め、7周目に入った時点で両者の差は3.211秒となり、上位3台がやや先行するかたちに。コロネル選手にミューラー選手が執拗にプレッシャーをかけ続けていくが、そこはコロネル選手も時にハードブレーキングでスモークをあげながら気迫の走りでポジションを譲らない。
そんな攻防はトップ争いも同様で、終盤に入ってモンテイロ選手が激しいプッシュをかけていくが、モルビデリ選手も巧みにブロックしていく。両者のチームはピットのモニターにスタッフ全員が釘付けとなり、まさに“手に汗握る”展開に。
14周の決勝は最終的にモルビデリ選手が逃げきりに成功、久しぶりのWTCC参戦で嬉しい初優勝を飾った。チームのALL-INKL.COM Munnich Motorsportにとっては、昨年も優勝したハンガリーでの表彰台、チームスタッフも全身で喜びを表現していた。そして2位にはモンテイロ選手、3位はヴァレンテ選手となり、シトロエンの連勝がストップするとともに、今季初めてシトロエン勢が一人も表彰台に立たないという結果になった。
YOKOHAMAトロフィーは第1レースに続いてリキモリ・チーム・エングストラー勢の対決となったが、このレースでもエングストラー選手がサバチーノ選手を抑えて優勝し、第1レースでの借りを返すかたちになった。
【今回の成績 : 第5戦 優勝 / 第6戦 5位】
ハンガロリンクはパッシングがとても難しいコースとして知られていますから、好スタートを切れたことは今回のレース結果において鍵になったひとつのポイントでした。序盤はロペス選手に対してマージンを稼ぐべくプッシュしていきましたが、およそ1.8秒の間隔が開いたところからは、リードを保ちながらペースコントロールしていきました。
私は開幕戦のモロッコ・第2レースがノーポイントとなってしまっています。前戦のフランスでは(優勝と2位で)取り返すことが出来ましたが、さらに今回のハンガリー1点でも多くのポイントを獲得することが必要だったので、第5戦の結果にはとても満足しています。
【今回の成績 : 第5戦 9位 / 第6戦 優勝】
外から見ていると簡単に勝ったように見えるかもしれませんが、決してそうではありませんでした。昨日のフリープラクティスではブレーキトラブルがあり、ここで勝つのは難しいと思っていたのです。
決勝では、いずれシトロエンの姿がバックミラーに迫ってくるものだとばかり思っていましたが、実際にはそうはなりませんでした。しかし、代わりにティアゴ・モンテイロ選手と14周の決勝で終始、激しい戦いを続けなければなりませんでした。幸いに、私はミスすることもなく、ほぼ完璧なレースを実践することができました。
そしてまた、この結果を得るために良い働きをしてくれたチームに、この勝利を捧げたいと思っています。
ハンガロリンクはタイヤにとって厳しいサーキットである。路面がフラットで常に滑らせながら走ることになるため、摩耗の面にくわえて温度上昇も起こりやすい。
しかしTC1車両が装着する新たに開発された18インチのWTCCタイヤはキャパシティの余裕も大きく、大幅に温度上昇するようなこともなく、ラップタイムの落ち幅もとても小さかった。
TC2TやTCN車両の17インチは、摩耗については限界近くまで決勝で使われたが、18インチはもう1レース走れるかと思わせる程度におさまっていた。
パワーアップしてダウンフォースも強くなった新規定のTC1車両だが、車両の性能アップ以上に新タイヤの余裕があるため、各チームもセットアップの幅が大きく拡がり、それぞれのチームがベストなものを目指していろいろとトライしている状況もうかがえる。