2014年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、モロッコでの開幕を終えたばかりだが、息つく暇もなく二週連続開催というハードなカレンダーが組まれている。次なる戦いの舞台はフランス、ポール・リカールである。
WTCC史上初めて、市街地コースでの開幕戦となったモロッコ・マラケシュ。既にお伝えしているように今季から参戦するシトロエン勢が強さを見せた。
第1レースは表彰台を独占。第2レースはイヴァン・ミューラー選手がスタート直後のクラッシュに巻き込まれて戦列を離れたものの、WRC王者のレース参戦ということで注目を集めていたセバスチャン・ローブ選手(左写真)が、2戦目にして早々に優勝を飾る結果となった。さらに第1レースを制したホセ・マリア・ロペス選手も2位で続き、両者がシリーズランキング争いで頭ひとつ抜きんでるかたちになった。
サンドロ・ムナーリ選手、ヴァルター・ロール選手に続いて、ラリーとレースの世界選手権でともに優勝を飾った3人目のドライバーとなったローブ選手。次のラウンドはシトロエンの母国・フランス開催ということで、凱旋レースとなることも大いに注目を集めるところだろう。
しかし、舞台となるポール・リカールはWTCCにとって初めて開催されるコース。フランスでのWTCC開催は2009年以来5年ぶりとなるが、それまでの開催地はポーの市街地コースで3大会、マニクール・サーキットで2大会が開催されてきている。
初開催コースで強さを見せたドライバーといえば、過去にシボレーワークスの一角を担っていたアラン・メニュ選手の名が思い浮かぶところ。では、現在もWTCCを戦っている中では誰が初開催コースでの勝ち星を多く挙げているのかといえば、それはミューラー選手なのである。モロッコではシトロエン勢で唯一優勝に届かなかったミューラー選手、自らの母国でもあるフランス大会へ向けた闘志は並々ならぬものがあるだろう。