■SA1クラス : 工藤典史 選手
今回のコースの地元である仙台市から毎戦参加してきているのが、ジムカーナ歴23年というベテランの工藤典史選手だ。東北地方では「走るアナウンサー」としても知られている。
「以前にゼッケン1番で出場して、主催者からアナウンサーもやってくれと頼まれたことがあったんです。そのときにコースクリアで走りながら無線を使ってコースの解説をしたのですが、クラス4位のタイムが出てしまった。それから走るアナウンサーと呼ばれるようになってしまいました(笑)」
そんな工藤選手だが、震災後も「東北モータースポーツ復興のために」と参戦を続け、2011〜2012年はPN1クラスにフル参戦した。
「震災直後は、こんなときにジムカーナなんて……と言われるとも思いました。でも、逆にいつもどおり普通にジムカーナを楽しむことも、復興のためには必要だと感じたのです。特に東北の人は何事にも一所懸命立ち向かうという姿勢でいますし、自分も頑張ろうという気持ちで参戦してきました」
工藤選手は昨年からSA1クラスにADVAN A050を装着したEK9・シビックで参戦しているが、今年は開幕戦で3位表彰台も獲得した実力者でもある。今回の地元での大会も第1ヒートで2番手のタイムをマーク。第2ヒートでは逆転されて惜しくも4位で終えたが「途中までいい夢を見せてもらいましたよ(笑)」と、負けて悔いなしという壮快な笑顔を見せてくれた。
「ジムカーナをできるだけ長く続けるのが目標です」と語る工藤選手の今後の活躍に注目だ。