1979年から始まった全日本F3選手権の長い歴史の中でも、数えるほどしか出場していない女性ドライバー。ただし、そのいずれも話題性だけでなく、実力も兼ね備えていたものの、'84年に吉川とみ子が4位に上がったのが最上位で、これまで誰も表彰台に上がったことはなかった。
だが、F3-Nクラスという区分こそあれど、その表彰台にいきなり三浦愛選手が第1戦で上がったばかりか、第2戦で優勝すら飾ることに。歴史に新たな一章を加えることとなった。
カートレースからスタートして、フォーミュラでのデビューは'11年のSuper-FJ。コンスタントに入賞は果たすも表彰台には恵まれず、鈴鹿シリーズでのランキングは10位に。だが、周囲の期待を表すように12年からFCJにステップアップして2年間フル参戦し、F4にもスポットで参戦した。
そして今シーズンは全日本F3のNクラスに戦いの場を移したが、FCJなどに比べてセッティングの自由度も増して個性を伸ばせることもあり、このステップアップは三浦選手にとって大正解となった。メンテナンスを担当するTODA
RACINGは長い歴史の中で、数多くのドライバーを育て、ドライバーの能力を引き出す力に長けている。まさに適所に身を置いたことで、本領を発揮できたということになろう。
予選前には「最低でも完走、できれば表彰台に立ちたい」と語っていた目標は「次も優勝を目指して頑張りますし、こうなったらチャンピオンも目指します」と上方修正。実はFIAソーラーカーレースでは優勝の経験もあり、「世界の頂点」も垣間見た存在。次はフォーミュラでも頂点を見てほしいものだ。