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JDC Round 2
開催日
2014年4月20日
開催場所
スピードパーク恋の浦
(福岡県)
天 候
雨 のち 晴れ
路 面
ウェット〜ドライ
参加台数
116台
(ヨコハマタイヤ装着車 32台)
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全日本ダートトライアル選手権・第2戦が、福岡県福津市のスピードパーク恋の浦で開催された。
九州の新しいサーキットとして2013年の6月2日にレジャー施設の恋の浦ガーデン内にオープンしたこのコースは、ダートトライアルコースのほかにジムカーナコース、ドリフトコース、さらにラリーのSS(スペシャルステージ)に使用できる林道を有するという総合的モータースポーツ施設だ。
ダートトライアルコースは今回が初の全日本開催となるが、ジムカーナコースも9月14日に全日本選手権を開催する。九州の新たなモータースポーツ拠点として、今後の活性化が期待される施設だ。

山の斜面を利用して造成されたダートトライアルコースは、急勾配の外周セクションと島回りを中心としたテクニカルセクションで構成。
路面は粘土質で、ドライであれば硬く締まりかなりのグリップを発生するが、ウェットの場合は粘性が高い柔らかい土質となるため滑りやすくなるという二面性を持つ。また、造成されてからまだ日が浅いということもあり、路面が掘れやすいため、わだちやギャップもできやすい。

ドライとウェットで性格が異なるという難しいコースだが、決勝当日の朝はあいにくの雨。だが、第2ヒートがスタートする頃には雨は上がり、気温が上昇するとともに路面も一気にドライへと変わっていった。
刻々と変わる路面状況に合わせ、どのタイヤを選ぶかが難しいコンディションとなったが、そのタイヤ選択を見事に的中させたのが、今年はスバルBRZでラリーとダートトライアルの二足のわらじを履く鎌田卓麻選手と、開幕戦でPN2クラスを制した佐藤秀昭選手だ。

第2ヒートは雨が止んだとはいえ、テクニカルセクションに滑りやすい泥状のウェット路面が残る状況のなか、鎌田選手は「外周区間はかなり乾いてきている状態。
速度域が低いテクニカルセクションよりも、速度域が高い外周区間で勝負をかける」と、硬質ダート路面用のADVAN A053を装着。その選択が見事に的中し、18年ぶりに出場した全日本戦で優勝を飾った。また、同じくADVAN A053を選択した佐藤選手も2位に入賞。第2戦のPN2クラスは、ヨコハマタイヤ装着車がワン・ツー・フィニッシュを飾った。

Dクラスでは、今季ニューマシンを投入した谷田川敏幸選手が、圧巻の走りを見せた。
第2ヒートの路面はドライとなったものの、Dクラスが走行する頃の路面はギャップやわだちがマシンにダメージを与えるほど深刻な状態となっていた。だが、その状況のなかで超硬質ダート用のADVAN A036を装着して果敢に攻めた谷田川選手は、ベストタイムを2.236秒更新。

タイムがアナウンスされ、優勝が決まった直後に開口一番「気合いだよ、気合い!」とガッツポーズを見せた。「マシンセッティングとかドライビングテクニックとか、そういう要素が通用するような次元の路面状況ではなかったけど、勝つためにはとにかくアクセルを踏み続けるしかなかった。第2戦はどうしても勝ちたかったし、勝たなければならないと思っていたからね」と、待望の今季初優勝をつかみ取った。

そのほか、SA1クラスでは昨年のチャンピオン岡田晋吾選手が第1ヒートでトップタイムをマーク。第2ヒートは惜しくも2位となったが、地元九州では相変わらずの強さを見せてくれた。
SA2クラスは、荒井信介選手がエンジントラブルに見舞われながらも2位に入賞。さらに九州を本拠地としていた鈴木信地郎選手が、2006年以来久々の表彰台となる3位に入賞する活躍を見せた。
SC1クラスでも、田口都一選手がミッションに深刻なトラブルを抱えながらも2位に入賞、福山重義選手も3位に入賞するなど、全日本初開催となった第2戦恋の浦は、各クラスでヨコハマタイヤ装着車が健闘を見せる結果となった。
 
Driver's Voice
鎌田卓麻 選手
 【今回の成績 : PN2クラス 優勝】
第2ヒートはテクニカル区間にウェット路面が残っていましたが、そこはドライビングでカバーできると思い、外周区間の路面状況に合わせてADVAN A053を装着しました。優勝することができ、判断は間違っていなかったと思います。
18年ぶりのダートトライアルでしたが、実は全日本優勝は今回が初めてなんです。自分が走り終えてから結果を待つ時間がすごく長く感じました。このドキドキ感は久しぶりでしたね(笑)。今年はラリーもダートラもチャンピオンを目指して頑張ります。
谷田川敏幸 選手
 【今回の成績 : Dクラス 優勝】
今回は、どれだけコースが荒れていても絶対に勝つ! という覚悟で走りました。ライバルと勝負するというよりも、コースと勝負したという感じですね。マシンもよく応えてくれたと思います。マシン製作に関わった皆さんに感謝したいですね。
今日がオレにとっての本当の開幕戦だと思います。マシンのセッティングは、センターデフやサスペンションなどまだまだこれからという状態ですが、とにかく1勝を挙げることができた。この1勝を次につなげていけるよう、これからも頑張ります。
佐藤秀昭 選手
 【今回の成績 : PN2クラス 2位】
(鎌田)卓麻選手とのタイム差が約2秒というのは、自分のなかではちょっと大きすぎました。やっぱり経験値が違うんでしょうね。新しいコース、第1ヒートがウェット、第2ヒートがドライといろいろなことが重なり、それに自分自身が対応し切れていなかったというのが敗因です。次はしっかりタイム差を縮めることができるようにしっかり走りたいですね。
岡田晋吾 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 2位】
モビリティおおむたで3連覇していたので、九州ラウンド4連覇を目指していたのですが、そんなに甘くはなかったですね。今年も勝ちたいという気持ちが入りすぎました。第2ヒートは予想以上に路面が乾いていて、タイムを出そうとコーナーに突っ込み過ぎたのが敗因だったと思います。
今年はシリーズ参戦ではなくスポット参戦を予定しているので、次の大会に出場するまでしっかりと集中力を高めていきたいと思います。
荒井信介 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 2位】
第2ヒートは、途中でエンジントラブルが起きて、吹け上がりが鈍ってしまったんだ。エンジンがストールして3速で曲がるコーナーも2速に落としてしまったからね。
ただ、タイム的にはなんとか2番手のタイムを残せたので、良い感触は掴めた。この感触を次に繋げていきたいね。
鈴木信地郎 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 3位】
九州が本拠地だったのですが、実は昨年、愛知に転勤になったんです。そのため、このコースを走る機会がそれほどなく、ドライで走ったのは今日が初めてでした。コース整備や草むしりはよくやらされていたんですけどね(笑)。
SA2クラスはADVAN A036を装着した選手が多かったですが、前半ゼッケンの僕はADVAN A053を装着しました。タイヤが路面に合っていて、とにかくどこでも全開で踏めましたね。久々の表彰台、うれしいです(笑)。
田口都一 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 2位】
実は第1ヒートの時に3速と4速のギアがなくなってしまったんです。第2ヒートもそのままで、1速と2速だけで走ったんです。上りは2速で踏みながら走っていけるのですが、下りは2速だけでは足りないので、途中でクラッチを切ってコケるのを覚悟して下っていきました。怖かったですよ(笑)。
福山重義 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 3位】
第1ヒートはADVAN A031、第2ヒートはADVAN A053を装着しました。特に路面が乾いた第2ヒートは、トラクションだけではなくステアリングを切った時のレスポンスも良かったですね。フロントの動きがすごく良かったので、ギャップだらけの道もなんとか走れたんだと思います。
 
FEATURED DRIVER
■Dクラス : 浜田隆行 選手

九州は、全国でも改造クラスの選手が多い地域だ。今回も全日本レギュラー選手を含め、SC1、SC2、Dクラス合わせて12名の地元ドライバーが、全日本ドライバーとの勝負を楽しんだ。
今回紹介する浜田隆行選手も、九州の地方選手権を中心に改造クラスでたたかってきたドライバーのひとり。全日本には2012年と13年の第7戦タカタに2回出場し、地元九州の全日本には今回が初めての出場となる。

「18歳からダートトライアルを始めたんですけれど、21歳の時から改造車に乗るようになったので、改造車歴は13年です。きっかけは、やっぱり改造クラスに対する憧れですね。先輩たちの多くが改造クラスで走っていて、ダートトライアルを始めた頃からいつかは自分も同じクラスで走りたいと思っていたんです」と浜田選手。

「今回は、エンジンやサスペンション、ミッションなどほとんどのパーツを作り直して出場しましたが、セッティングが仕上がっておらず、攻め切ることができなかったのが悔しいですね。タイヤはADVAN A053を装着しましたが、第1ヒートのハーフウェット、第2ヒートのドライのどちらもフィーリングが良かった。タイヤの性能を生かすことができるセッティングが、これからの課題ですね」

今年は積極的に全日本に出場する予定の浜田選手。Dクラス6位に初入賞した今大会をきっかけに、大きく羽ばたいてほしいドライバーのひとりだ。
 
TECHNICAL INFORMATION
全日本初開催となるスピードパーク恋の浦は、他の全日本開催コースとは異なる粘土質の軟質路面が大きな特徴だ。軟質路面は、ドライであれば硬く締まり、タイヤのグリップ性能が向上するが、ウェットの場合は水分量により特性が大きく異なる場合がある。特にスピードパーク恋の浦の土質は、雨の影響が大きい反面、乾燥も早い。

そういった状況のなか、ハーフウェット路面でADVAN A053を装着した鎌田卓麻選手が優勝、さらに路面が大幅に荒れた状況でADVAN A036を装着した谷田川敏幸選手が優勝し、それぞれのタイヤが持つ路面対応領域の広さとアドバンテージの高さを発揮する結果となった。
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