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JDC Round 1
開催日
2014年3月23日
開催場所
丸和オートランド那須 (栃木県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
参加台数
157台
(ヨコハマタイヤ装着車 46台)
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今年の全日本ダートトライアルは、昨年の全7戦から1戦増え、全8戦が組まれている。その開幕戦が、栃木県の丸和オートランド那須で開催された。
昨年末のJAFカップ/オールスターダートトライアル開催前にコースの一部を改修した丸和だが、今年はさらにその改修部分を拡大。今回使用するコースのほぼ全域が硬質ダート路面となった。

第1ヒート、散水の影響によりウェット路面でのスタートとなったPNクラスはウェット路面に強いADVAN A031を装着した選手が多く、中盤ゼッケンのNクラスやSAクラスは硬質ダート路面用のADVAN A035やA053、砂利が掃けた後半ゼッケンのSC、Dクラスは第1ヒートから超硬質ダート路面用のADVAN A036を装着する選手が多いという状況。
第2ヒートは前半ゼッケンのPNクラスからADVAN A036が威力を発揮するコンディションとなった。

コースレイアウトは、昨年に引き続き逆走レイアウトを採用。前半は島回りや鋭角ターンなどが多いテクニカルセクション、中盤から後半にかけては高速コーナーが連続するハイスピードセクションというメリハリの効いた構成だ。さらに、クラスによっては決勝タイムが2分を超えるというロングコースとなり、攻めがいのあるチャレンジングなレイアウトとなった。

だが、コースの中にはイン側に大きな岩が隠れているコーナーがあり、ここに左フロントをヒットしてホイールを破損してしまいタイムダウン、あるいはタイヤをパンクさせてしまいリタイアしてしまう選手も。そのなかにはSA2クラスの荒井信介選手やSC2クラスの田口勝彦選手といった有力選手も含まれ、クラスによっては波乱含みの展開となった。

今シーズンは、クラス区分の変更など話題豊富な全日本ダートトライアル選手権だが、そのなかでも最も注目を集めたのが新たなクラスとして設けられたPN2クラスだ。
1600ccを超える2輪駆動車が対象となるこのクラスには、合わせて9台のトヨタ86とスバルBRZが登場。改造範囲が最も狭いクラスのため、ドライバーの腕と路面状況に応じてどんなタイヤを選ぶのかが、勝敗の大きな鍵を握る。
そのPN2クラスで実力を発揮したのが、昨年のPN1クラスチャンピオンの佐藤秀昭選手だ。ADVAN A036で挑んだ第2ヒートで、それまでのトップタイムを更新するベストタイムをマーク。見事な逆転劇で、新生クラスの開幕戦優勝を果たした。

一方、SA1クラスでは中島孝恭選手が絶妙なタイヤ選択を披露した。
第1ヒートでADVAN A035のSコンパウンドを装着し、ベストタイムをマークした中島選手は、第2ヒートでフロントにADVAN A053、リアにADVAN A035・Sコンパウンドを装着。この作戦が見事に的中し、第2ヒートもベストタイムをマーク。自身にとっては2011年以来となる3年ぶりの優勝を手にした。

そのほか、PN1クラスでは丸和をホームコースとする入山宰次選手が2位に入賞。SA2クラスでも丸和をホームコースとする林軍市選手が2位入賞と、今年の開幕戦も各クラスでヨコハマタイヤ装着車が活躍を見せた。

また、Dクラスはチャンピオンの谷田川敏幸選手がニューマシンの4ドア・インプレッサをシェイクダウンしてきたが、再車検で車内からエンジンに空気を送り込む吸気レイアウトがレギュレーションに適合しないと判定され、失格の裁定を受ける結果に。
「解釈の違いによりこのような結果になってしまい残念です。吸気レイアウトは簡単に戻すことができるので、第2戦までにはしっかりとレギュレーションに合わせてきます」と谷田川選手。
マシンは「組み上がったばかりでセッティングはこれから」という状態だが、タイム的には2位に相当するタイムを残していただけに、仕切り直しとなる第2戦からの巻き返しに期待したい。
 
Driver's Voice
佐藤秀昭 選手
 【今回の成績 : PN2クラス 優勝】
第2ヒートの前半区間は、コンクリートの上に水に溶けたホコリ防止の塩化カルシウム乗っている状態で、見た目以上に滑りやすい状態でした。その区間で思いきりミスしてしまい、正直優勝は難しいと思ったのですが、最後まで諦めずに走ったことが結果につながったと思います。]
中盤から後半区間にかけては、ADVAN A036がしっかりと路面を捉えてくれたのが大きかったですね。
中島孝恭 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 優勝】
路面的にはADVAN A053が合っていると思いますが、この時期の丸和は路面温度が低くて、特にFFの場合はフロントタイヤに対してリヤタイヤの発熱が遅れることが多いんです。そこで、今年はレギュレーションで前後に銘柄が違うタイヤを装着することが認められたので、思い切ってリヤにソフトコンパウンドのADVAN A035のSコンパウンドを装着しました。
作戦は見事に的中。今まで丸和はスピンしてしまうことが多く、大嫌いなコースだったのですが、優勝することができたので大好きなコースになりました(笑)。
入山宰次 選手
 【今回の成績 : PN1クラス 2位】
実は今回、ADVAN A036を初めて使ってみましたが、想像以上にグリップして、正直ビックリしました。まだまだ攻めることができたと反省しています。
第1ヒートはダンパーのセッティングを硬めにして走ったのですが、クルマが跳ねてしまいタイムに結びつきませんでした。第2ヒートは柔らかいセッティングに変えて、かなり走りやすくなりましたね。次は優勝を狙って頑張りたいと思います。
林 軍市 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 2位】
第1ヒートはADVAN A053、第2ヒートはADVAN A036を装着しました。どちらも路面コンディションにピッタリだったと思います。特に第2ヒートは、最もスピードが乗る象の鼻を強引に攻めてもタイヤが効いてくれていたので、タイムが出ているなという手応えはありました。
でも、実は場内放送がよく聞こえず、まさか自分が2位だとは思いませんでした。もうビックリですよ(笑)。
宝田ケンシロー 選手
 【今回の成績 : PN1クラス 4位】
第1ヒートは路面がかなり濡れていたのと、砂利が多かったのでADVAN A031を装着しました。タイムは3番手でしたけれど、最初から第2ヒートはADVAN A036でいくと決めていたので、手応えは十分に感じていました。
その第2ヒートで2カ所、失敗してしまったのです。ラインは良かったのですが、そのラインが荒れていたんです。荒れたラインを強引に走らず、少しだけ外して固い路面を走るべきでしたね。その2カ所以外はタイヤがすごく効いていただけに、もう少し冷静に走るべきでした。
大西 康弘 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 4位】
今年こそは優勝したいという願いを込めて、カラーリングを一新してきました。ところが、気合いが入りすぎたせいか第1ヒートはスタートしてあっという間にミスコース。
ここは前日の公開練習がないので、このミスコースは痛かった。第2ヒートが実質上の1本目となって、スタートからゴールまで探りながらの走りとなってしまいましたが、その走りで4位に入賞できたというのは、悪い中でも良い成果でしたね。今年は優勝狙って頑張りますよ!
 
FEATURED DRIVER
■Dクラス : 佐藤史彦 選手

谷田川敏幸選手がGVB型・4ドアインプレッサを投入し、話題を集めた今年の開幕戦だが、Dクラスにはもう1台、5ドアインプレッサがデビューを果たした。

ちなみにこちらのインプレッサのベース車はGRB型WRX STIではなくGRF型WRX STI Aライン。排気量2,500ccのターボを搭載するAT(オートマチックトランスミッション)のモデルで、競技ベース車としては珍しいタイプだ。

昨年までGDB型のインプレッサに乗っていた佐藤史彦選手は、「たまたまAラインのボディがあったので、そのクルマをベースにしました。もちろんミッションはマニュアルに交換しています」と、マシンの選択について語る。

「でも、エンジンは排気量2,500ccのEJ25をベースにしているので、そこだけはAラインのままですね。タービンもノーマルのままなので、パワーは控えめです。
でもD車両なので、ラジエターはエンジンルームから後方のキャビンに移設しています。冷却性能を上げるためですが、フロントにラジエターがないので、思い切ってインを攻めることができるというメリットもあります。あまり無茶はできませんけどね(笑)」。
ちなみにこのマシンは、一昨年のシーズンオフからコツコツと仕上げてきたものだという。

シェイクダウンとなった今回の開幕戦は、Dクラス8位という結果に。

「ADVAN A036のグリップが高かったこともあって、安心して踏むことができました。でも、それがタイムに結びつかなかったのが残念ですね。まわりから『直線が遅い』と指摘されたので、パワーが足りないのかもしれません。でも、あせらずにゆっくりと仕上げていきたいですね」と語る佐藤選手。

今シーズンは谷田川選手のインプレッサと同様に、佐藤選手のインプレッサの活躍にも期待したい。
 
TECHNICAL INFORMATION
午前中はウェットコンディション、午後からはドライコンディションとなり、特に午後からは超硬質ダートという丸和の路面特性と重なり、ADVAN A036がベストマッチと言えるコンディションとなった。

ただし、ドライバーの中にはグリップしすぎることにより、クルマの挙動を抑えきれずにステアリング操作が煩雑になりドライビングミスしてしまうようなケースも見られたようだ。そのなかでも、タイヤの特性に合わせたドライビングにより優勝を獲得したドライバーもおり、多くの成果を得た開幕戦となった。
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