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SUPER GT Round 1
開催日
2014年4月5日-6日
開催場所
岡山国際サーキット(岡山県)
天 候
曇り〜雨〜晴れ
路 面
ドライ〜ウェット〜ドライ
決勝周回数
81周
(1Lap = 3.703km)
参加台数
39台
(ヨコハマタイヤ装着車 21台)
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DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)との共通モノコックを使用、排気量2,000ccの直噴・直列4気筒ターボエンジンを搭載し、カーボンブレーキを備えた新車両規定のGT500マシン元年となる、2014年のSUPER GT開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が、4月5日〜6日に岡山国際サーキットを舞台に行われた。

ニューマシンが導入されるGT500クラスには、今年もヨコハマタイヤを装着して「WedsSport ADVAN RC F」と「D'station ADVAN GT-R」の2台が参戦。また、GT300クラスではニッサンGT-RやBMW Z4、ポルシェ911などのFIA GT3マシンと、ハイブリッドのJAF GTマシンであるトヨタ・プリウスなど、バラエティーに富んだ車種がヨコハマタイヤを装着して参戦することとなった。

昨年も荒天に見舞われた岡山国際での開幕戦だが、今年も不安定な天候のレースウィークに。冬が逆戻りしたかのような寒風が吹き付ける2日間となったが、なんとか土曜の公式練習、公式予選ともにドライコンディションでの走行に。

昨年同様のノックアウト方式で行われた公式予選。まずGT300では、Q2進出権を得た13台中9台をヨコハマタイヤユーザーが占める。
続いて行われたQ2でトップに躍り出たのは、「OGT Panasonic PRIUS」の新田守男選手。1分26秒774をマークし、レコード更新こそならなかったものの、ポールポジションを獲得する。2番手にも「グッドスマイル 初音ミク Z4」がつけ、ヨコハマタイヤユーザーがフロントローを独占した。

一方のGT500は不運な予選アタックとなってしまう。今季GT500デビューを飾る期待のルーキー・佐々木大樹選手が駆る「D'station ADVAN GT-R」は駆動系のトラブルを抱えてしまい、同じく今季からレクサス陣営に移籍した関口雄飛選手がアタックした「WedsSport ADVAN RC F」もエンジンが完調ではなく、ともにQ2進出を果たすことは叶わなかった。

一夜明けた日曜は、朝のフリー走行のセッション直前に雹が降るなど引き続き荒れた天候。このためフリー走行では大半をウエットタイヤでの走行となったが、GT500ではセッション終盤に「D'station ADVAN GT-R」のミハエル・クルム選手がいち早くドライタイヤに換装し、1分28秒638のトップタイムを奪う好走を見せ、決勝への期待が膨らむことに。

迎えた午後2時に、決勝レースがスタート。GT500では予選10位の「D'station ADVAN GT-R」はミハエル・クルム選手、予選13位の「WedsSport ADVAN RC F」は関口選手が、それぞれスタートを担当。オープニングラップに発生したアクシデントをうまくかいくぐり、1周目を10〜11番手で終える。

このポジションのままレース序盤を進めていた両陣営だが、17周を過ぎた辺りから突如雨が降り出す中、21周目に関口選手がクルム選手を捕らえ、2台は順位を入れ替えると、他車のピットインもあって「WedsSport ADVAN RC F」9番手、「D'station ADVAN GT-R」10番手と、そろってポイント圏内に。

35周目に「D'station ADVAN GT-R」がピットイン。佐々木選手にステアリングが託されたが、この佐々木選手のスティントでは挙動が不安定となる症状が発生。後半はペースを上げることが出来ず、結局12位でフィニッシュ。
「WedsSport ADVAN RC F」は関口選手のスティントを引っ張った結果40周目にはトップにまで浮上した後、43周目にピットインして脇阪寿一選手に交代。脇阪選手はスティント序盤に「RAYBRIG NSX CONCEPT-GT」を追走するなど、ポイント圏内で力強いレースを展開も、80周目に「S Road MOLA GT-R」にオーバーテイクを許し、惜しくも11位とこちらもポイント獲得はならなかった。

GT300の決勝では、鋭いスタートダッシュを見せた「グッドスマイル 初音ミク Z4」の片岡龍也選手が、1コーナーで「OGT Panasonic PRIUS」の新田選手をかわしてトップに浮上。しかし、新田選手も大きく遅れることなく続き、「Studie BMW Z4」の荒聖治選手らとともに激しくトップを争う。

しばらくレースは膠着状態が続いていたが、18周目から突然、それもわずかな間降った雨が展開を大きく揺るがした。
ライバルメーカーのタイヤを装着する「GAINER DIXCEL SLS」のビルドハイム選手が、トラクションコントロールなど電子制御デバイスのアシストに優ることもあって20周目のアトウッドカーブで新田選手を、そしてダブルヘアピンのひとつ目で片岡選手を抜いてトップに浮上。だが、ビルドハイム選手は35周目にタイヤトラブルが発生して予定より早くピットに戻ることとなる。

その結果、片岡選手がトップに返り咲き、荒選手も2番手で、BMWのヨコハマタイヤユーザーが上位を独占。
先にピットに入ってきたのは「グッドスマイル 初音ミク Z4」で、谷口信輝選手への交代と合わせ、左側のタイヤを2本のみ交換。これを見た「Studie BMW Z4」も43周目のピットで同じく左側タイヤ2本を交換し、ヨルグ・ミュラー選手をコースに送り出す。微妙なタイミングではあったものの、ミュラー選手がピットロードを離れた、ちょうどその時に谷口選手はストレートを駆け抜けていった。

その後、一時は10秒ほどあった両者の差は、終盤になって一気に詰められ、最後はコンマ差の間隔ながら、谷口選手は逃げ切りに成功。「グッドスマイル 初音ミク Z4」の谷口選手と片岡選手が、開幕戦から笑顔を見せることとなった。続いて「Studie BMW Z4」も2位でゴールし、GT300ではヨコハマタイヤユーザーによるワン・ツー・フィニッシュが達成された。

なお、4位は星野一樹選手/ルーカス・オルドネス選手の「B-MAX NDDP GT-R」が獲得し、5位には黒澤治樹選手/峰尾恭輔選手の「LEON SLS」が入るなど、トップ6のうち4台をヨコハマタイヤユーザーで占めた。
一方、ポールポジションからスタートした新田選手/嵯峨宏紀選手の「OGT Panasonic PRIUS」は、電気系トラブルにより22周目にリタイアを喫している。
 
Driver's Voice
脇阪寿一 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 11位】
この開幕戦の決勝で初めてこのクルマで長い周回を走ったのですが、ちょっと僕の操作で間違っている部分があって。後半にはそれに気づいてまずまずのペースで走れたのですが、前半に10秒くらいロスしていると思うので、それがちょっと悔しかったですね。しかし、何よりも止まってしまうような大きなトラブルもなく走らせてくれた、TRDやチームのメカニックに感謝したいです。
まだまだ走り込みが足りない部分はありますが、この開幕戦でかなり見えて来たところもあるので、そこをきっちりチームと相談しながら次の富士につなげたいですね。
佐々木大樹 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 12位】
予選では絶対にQ2に行ける自信があったのですが、残念ながらトラブルが出てしまってQ1敗退となってしまいました。決勝はGT500で初めてのレースでしたが、体力的にはまったく問題ありませんでした。ただ、ピックアップだったのか何なのか、原因はまだ分かりませんが、僕のスティントではブレーキング時などにマシンが不安定になってしまう状況があり、完走は出来ましたがもどかしい、ストレスの溜まるレースになりましたね。
次の富士ではテストで良いフィーリングも得られていますし、今回完走したことでたくさんデータも得られましたので、ステップアップしていいレースをしたいと思います。
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
今日のレースは片岡選手が最初のパートで素晴らしい走りをして、貯金を作ってくれて、さらにチームがピットワークで稼いでくれて、あとは僕がその貯金を使う(笑)。そんな展開になりましたが、ヨルグ・ミュラー選手がすごく速く、僕の方が押され気味に見えたかもしれませんが、残り周回数とギャップを計算しつつ、タイヤマネージメントしながら走っていたんです。
勝ててうれしいですし、すごくホッとしています。今回だけでGT300の戦力図をはかるのは難しいと思いますが、だからこそ勝てる時に勝てたのはうれしいし、何とか今年こそチャンピオンを獲りたいですね。
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
まずは本当に勝てて良かったなぁ、と。スタートは2番手で出て、狙いどおり1コーナーをトップで曲がれたのですが、思ったより自分のペースが上がらなかったことは予定外でした。また雨が落ちてきた時はコンディションやマッチングが悪く、かなりライバルにあおられたのですが、すぐ止んでくれたので助かりましたね。
やるだけのことをやって、谷口さんにつなげて勝てたので、むしろ簡単でなかった分、うれしいですね。今年は攻めるような展開でレースができているので、僕もこのチームで3年目、そろそろチャンピオンを獲りたいな、と思っています。
荒聖治 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
雨が降るなど難しいコンディションだったのですが、そういう状況でもクルマがしっかり走ってくれるので、そこで差を詰められたようなところもあり、良かったなと思います。シェイクダウンから走る時間がない中で、このレースを迎えて不安もたくさんあったのですが、走り始めから非常にいい流れで、2位表彰台に立ててうれしいですね。
初めてヨルグ(・ミュラー選手)と組んで、これだけスムーズにレースが出来たので、これからもっともっと強いコンビにしていきたいと思っています。タイヤのマッチングも良く、予選、決勝ともにきちっと性能が出ていましたので、非常にタイヤのパフォーマンスにも満足しています。
 
ENGINEER VOICE
オフシーズンの開発の中で、GT500に関してはこれまでよりも大きなステップとなるブレイクスルーがあったので、確実にタイヤはステップアップ出来たと思います。この開幕戦のレースウィークでも、その部分を感じられたところはあったのですが、やはり2014スペックのタイヤにはなっていますが、まだまだクルマへの合わせ込みが足りないという部分が、決勝での他車とのパフォーマンスの差に現れたように思います。

土曜の予選では車両のトラブルがあったこともあり、Q2進出は果たせなかったとはいえ、想定していたパフォーマンスを確認出来ていたのですが、決勝については「WedsSport ADVAN RC F」「D'station ADVAN GT-R」ともに終盤タイムが他車よりも落ちたところがありました。その辺りは車体側の要因なのか、タイヤ側の要因なのかを精査する予定です。
一方GT300ではワン・ツーを獲ることが出来ました。トップ2台のBMWに関しては左側2本交換で問題なく走れましたし、他の車両も大きなタイヤトラブルなどもなく良いレースが出来たと思います。

次戦の富士に向けては合同テストで得られたデータを元に、また今回とは異なる新しいものを用意して臨みます。GT500では2台とも完走出来たことで、新しいデータも得られましたし、それを次戦以降につなげられると考えています
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