スーパー耐久シリーズは、1991年に発足したN1耐久ラウンドシリーズを前身とするカテゴリー。発足当初は改造範囲の限られたN1規定の車両によって競われていたが、時代の変化にあわせて柔軟に対応を重ね、市販エアロパーツの装着自由化によってスーパー耐久へと名称も改めた。
その後、国際基準のひとつにもなりつつあるFIA GT3車両の参入を認めるとともに、参加型カテゴリーとして底辺を拡大するべくコンパクトカーのクラスを新設するなどした結果、耐久レースならではのバラエティ豊かな参戦車種構成が実現している。
24時間レースこそ開催されなくなってしまったものの、2013年は全体的に決勝レースが長時間化された。シリーズ最長となるのは富士スピードウェイの7時間、ツインリンクもてぎでの一戦も5時間の長丁場だ。ただし一方で、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のサポートレースとなる鈴鹿については、40分×3レースという変則的な内容が予定されている。
2013年のカレンダーは全7戦。そこには韓国・インジェオートピアのこけら落としとなる大会も、シリーズ戦のひとつとして加えられた。なお、開幕戦のSUGOが季節外れの大雪によって中止されてしまったため、事実上6戦で競われることになり、そのうちの5戦を有効とするポイント制度でシリーズチャンピオンの行方が競われる。
このスーパー耐久、決勝では複数のドライバーが交代でマシンをリレーするが、規則においてドライバー交代を伴うピットストップの最低回数が決められている。これによって戦略の幅は狭くなってしまうものの、登録されたドライバーが確実に決勝でもステアリングを握るということになり、活躍の場が確保されている。
また、公式予選も世界的に珍しい方式を採用。AドライバーおよびBドライバーが決められた予選時間内にそれぞれマークしたベストタイムを、合計したもので順位をつけて決勝スターティンググリッドを決するのだ。つまり、決勝と同様にドライバー同士のパフォーマンスを充分に発揮する場が用意されているとともに、仮に一方のドライバーのタイムが伸び悩んだとしても相方がフォローことも可能となっているのだ。