■N3クラス : 小関高幸 選手
激戦のN3クラスの中で、ひときわ激しいドリフト走行でギャラリーの注目を集めているのが、小関高幸選手だ。ダイナミックなフェイントからのドリフトや、コーナーのはるか手前からマシンを真横にしてコーナーに進入する走りは、一見派手なパフォーマンスとして捉えられがちだが、小関選手は「決して目立とうとしてやっているのではなく、タイムを出すための走りを追求していった結果、そういう走り方になったのです」という。
「ラリーの新井敏弘選手と一緒に練習する機会が多く、走り方を教えてもらっているうちに今のスタイルにたどり着きました。ラリードライバーは狭い道でも思い切りドリフトして走って、しかもしっかりとタイムを出すじゃないですか。それであれば、ラリーよりも道幅が広いダートラは、もっとドリフトできるんじゃないかと思ったのです。新井選手には『好きにしろ』と言われていますけどね(笑)」と小関選手。その小関選手が、今大会でN3クラス3位に入賞した。「タイヤはADVAN A053です。コーナーの進入からアクセルを踏んで行けるタイヤなので、自分自身にもすごく合っていると思います」
小関選手は、SC3クラスで活躍する中本吉彦選手のマシンを製作し、サポートしていることでもおなじみだ。「1999年頃からスポット的に全日本を走っていたのですが、中本選手をサポートし始めた2008年頃からは自分で走るのを辞めたのです。それが昨年、練習会で久しぶりに走る機会があって、その時のタイムが意外と良かった。それですっかりその気になってしまって、もう一回自分で走ろうと思ったのです」と小関選手。
かつて、スバルモータースポーツの礎を築き、その気質と風貌から「オヤブン」と称されていた故・小関典幸氏の息子でもある小関選手は、父の愛称を模した「コヤブン」と称され、多くの選手から親しまれている。「目標は、今の走りのスタイルのまま全日本で優勝することです」という小関選手。"コヤブン"の熱い走りに、ぜひ注目して欲しい。