2007年に発足したSuper-FJを語る上では、1980年からスタートしたFJ1600について知る必要があるだろう。
FJ1600は日本独自のフォーミュラ・カテゴリーで、ボトムレンジを支える参加型のレースとして全国の主要サーキットでシリーズが展開された。しかし、26年の歳月が流れるうちには、ワンメイク指定されていたスバル製エンジンの生産も終了し、補修部品などの調達も難しくなってきた。
そこで、基本的なコンセプトはそのままに、エンジンを最新のものに改めつつ、安全性なども先を見据えたものとする新しいマシンでのレースが発足。これがSuper-FJであり、各サーキットで行われていたJAF地方選手権のタイトルもFJ1600からSuper-FJに対象が移された。
現行のマシンはホンダ製の排気量1,500ccエンジンを使用。これに戸田レーシング製の5速ドグミッションを組み合わせている。
また、FJ1600との大きな相違点が、車体の前後に装着されたウィング。これは走行中の安定性を高めるという安全面を主眼に置いて採用されたものであるが、ドライバーにとってはエアロダイナミズムも意識した走りを実現出来ることになった。
Super-FJに進化した今日も、フォーミュラ・レースのボトムレンジを支え、若手育成とジェントルマンドライバーのホビーという、ふたつの選手層が互いにテクニックを磨きあっている。
また、全国各地にあるモータースポーツショップにとっても参戦しやすいフォーミュラ・カテゴリーであり、選手のみならずメカニックの育成にも一役かっていると言えるカテゴリーだ。
2012年も東北(仙台&SUGO)、もてぎ、筑波、富士、鈴鹿、岡山国際、オートポリスという各シリーズが開催される。これらのシリーズそれぞれでタイトルが競われるのに加え、全てのシリーズが終了した後の12月には鈴鹿サーキットで恒例の「日本一決定戦」が催される。
ここには全国のシリーズで好成績をおさめた猛者たちが集まり、日本一の栄誉ある称号を懸けて白熱した戦いを演じることとなる。