Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / MACAU GP F3 2011 / F3 Inter-Cup News Index
  ひとつ前にもどる  
58th. Macau GP F3 InterCup
開催日
2011年11月17日-20日
開催場所
ギア・サーキット (マカオ)
天候/路面
予選レース : 晴れ/ドライ
決勝レース : 曇り/ドライ
決勝周回数
予選レース : 15周
決勝レース : 10周
(1周 = 6.117km)
参加台数
予選レース : 29台
決勝レース : 29台
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
トップカテゴリーへのフィーディングカテゴリーとして、FIA(国際自動車連盟)が定める統一規則に則った車両を使い世界各国・地域でシリーズが開催されているF3。その年の各国F3シリーズを戦ったトップコンテンダーたちが一堂に介し、難攻不落と呼ばれる公道コースを舞台に世界一を決める「マカオ・グランプリ」が11月17〜20日の4日間に渡って開催された。

ガードレールと石垣、コンクリートウォールに囲まれた、全長6kmを超える市街地コースであるギア・サーキットは、過去多くのトップドライバーたちを輩出してきたF3の伝統的イベント。今季はFIAが定めた全5イベントからなる「F3インターナショナルトロフィー」の一戦にも加えられ、よりバリューが高められることとなった。
ADVANはこのマカオ・グランプリへ1983年以来レーシングタイヤをワンメイク供給しており、今年で29年目となる。

迎えた今大会、例年30℃を超える暑さと高い湿度がお馴染みとなっているマカオは、なんと雨もよう。走り始めとなった木曜日の午前10時55分から行われた45分間のフリープラクティス1回目は、午前9時半ごろから降り始めた霧雨のような雨によって完全なウェットコンディションに。
安定した好天候に恵まれることの多かったこのマカオでは、1987年に季節外れの台風の直撃を受け、終日走行がキャンセルされたことがあったが、近年ではレインタイヤを履くこと自体がほとんどなかった。なお、国際格式のF3レースでは、規則上各車に週末を通じて3セットのレインタイヤが供給されることとなっている。
この日の予選1回目では、ユーロF3王者のロベルト・メルヒ選手が2分28秒860でトップタイム。マルコ・ウイットマン選手が2番手、イギリスF3王者のフェリペ・ナスル選手というトップ3になった。

金曜日には予選レースのグリッドを決する予選2回目が行われる。前日は打って変わって穏やかな天候となり、完全なドライコンディション下で激しいアタックの応酬となった。
その結果、予選レースのポールポジションを奪ったのはユーロF3で年間2位のウイットマン選手。2番手にメルヒ選手、3番手にはアントニオ・ダ・コスタ選手が入りトップ3となった。


土曜の午後2時29分にスタートした予選レースは10周の戦い。マカオらしい日差しの下でスタートを迎えたが、グリッドへ向かう途中の山側セクションでシムス選手がクラッシュ、レース出走を諦めざるを得なくなるアクシデントが発生。このため予選レースには29台のマシンが出走した。

注目のスタートで、なんとフロントロウのダ・コスタ選手がストールに見舞われたため、リスボアコーナーでの首位争いはウイットマン選手とナスル選手ら4台がもつれ合う格好となるが、ここでトップを死守したウイットマン選手がレースをリード。
テクニカルで抜きどころの少ない山側では拮抗した攻防が続き、海側では対照的に260km/hを超える高速でのスリップを使ったバトルとなる。ウイットマン選手、ナスル選手、メルヒ選手、ボッタス選手ら上位陣のオーダーは変わらぬまま、レースは終盤に突入したが、8周目に山側でジミー・エリクソン選手が大クラッシュしてしまい、セーフティーカーが導入されることに。

このため、レースはセーフティーカー先導のまま10周を終えチェッカー。この結果、日曜の決勝レースのポールポジションはウイットマン選手が獲得。2番手にナスル選手、3番手にメルヒ選手、4番手にボッタス選手が並ぶ結果に。日本勢では佐藤公哉選手の9位が最高位となった。


明けて日曜のマカオは、まずまずの天候に恵まれ、マカオGTカップやWTCC最終ラウンド2レース、さらにモーターサイクルを経て、午後3時34分、ついに第58回マカオ・グランプリの決勝レースがスタートを迎えた。

レッドシグナルが消えると、フロントローのウイットマン選手とナスル選手はまずまずの動き出しを見せるも、今度は3番グリッドのメルヒ選手がストール。このマシンを避け切れなかったローレンス・バントール選手がダニエル・アプト選手を巻き込んでグリッド上でスピン。さらにメルヒ選手にはリッチー・スタナウェイ選手が追突し、グリッド付近で3台がリタイアとなる波乱のスタート。
マンダリン先ではボッタス選手がトップに立ったかに見えたが、リスボア進入ではウイットマン選手がトップを奪還。3番手以下にナスル選手、ジュンカデラ選手が続いたが、その背後で5〜6番手を争っていたカルロス・フエルタス選手と佐藤選手は後続の関口選手らに追突され接触、スピンし立ち往生する間に、山内選手、関口選手が5〜6番手に浮上する。

スタート直後のアクシデントによるセーフティーカーの導入をはさみ、レース再開後となる5周目のリスボアではスリップからオーバーテイクの攻防が展開され、ボッタス選手がタイヤバリアでサスペンションを傷めリタイア。ジュンカデラ選手が2番手、ナスル選手が3番手に浮上し、同時に山内選手、関口選手も4〜5番手に。しかし、6周目のリスボアで山内選手は関口選手、ハンネス・ヴァン・アッセルドンク選手に相次いでパスされて6番手に後退することに。

7周目、山側でフェリックス・ローゼンクビスト選手がクラッシュし、コース上には再びセーフティーカーが登場。波乱のレースは10周目からリスタートとなったが、この機にトップのウイットマン選手はストレートの伸びを欠き、ジュンカデラ選手、さらには関口選手が一気に1−2位に躍り出る。
しかし、関口選手は最終コーナーからの立ち上がり加速が今ひとつで、11周目にはナスル選手、13周目にはウイットマン選手と、ホイールtoホイールの必死の抵抗を見せるも、相次いでリスボアで後塵を拝し4位に。
ところが、14周目のマンダリン先ストレート区間で3台が絡む大クラッシュが再び起こり、なんとこのレース3度目のセーフティーカーが入ることに。この周の山側、マツヤコーナーではオーバーテイクを仕掛けようとしたシムス選手が、山内選手に追突してしまい、2台がストップしてしまう。

結局、セーフティーカーは最終ラップにコースを離れたものの、ジュンカデラ選手を先頭とする隊列は、追い越し禁止のままフィニッシュラインを通過してチェッカーを受けることとなり、優勝はジュンカデラ選手の手に。2位にナスル選手、3位にウイットマン選手が続き、日本人最上位となった関口選手は表彰台まであと一歩の4位となった。
 
Driver's Voice
ダニエル・ジュンカデラ 選手
 【今回の成績 : 決勝レース 優勝】
マカオグランプリで優勝できるなんて、本当に信じられない気持ちでいっぱいだ。もちろんこんな結果を残せるとは予想もしていなかった。2回目のセーフティーカーが出たことが、僕にとって幸運だったというしかないね。
フリー走行などではクラッシュしてしまったけれど、決勝ではアクシデントを上手く避けることが出来たし、序盤の数周を安全に戦えたことが大きかったと思う。リスクを冒すことを極力避けられたことも重要だったね。
 
関口雄飛 選手
 【今回の成績 : 決勝レース 4位】
山側では上位のドライバーにも負けていませんでしたが、海側、特に最終コーナーの立ち上がりでエンジンが伸びず、スリップを奪うどころか逆に奪われて、防戦一方の厳しいレースになりました。表彰台に上りたかったのですが、仕方無かったと思います。しかし、自分にとっては自信を取り戻すことが出来ましたし、これをきっかけに来年に繋げることが出来ればうれしいですね。
ADVANのF3用レーシングタイヤは今年から全日本F3選手権でも慣れ親しんでいましたが、マカオでもドライはもちろん、ウェットでもグリップは良く、安定したパフォーマンスを感じることが出来ました。
 
Engineer's Voice
渡辺 晋
ADVANとして、マカオ・グランプリでのF3用レーシングタイヤの供給は今年で29年連続となります。30台のF3マシンへ3.5セットのドライタイヤ、3セットのレインタイヤを供給するために、今回は900本ほどのタイヤを準備しました。
WTCCもADVANタイヤのワンメイクですし、昨今はおかげさまでサポートレースでもADVANタイヤのユーザーが増えているので、全体としては1900本ほどのタイヤをマカオに持ち込んでいます。

今年のマカオではレースウィークの序盤に気温22〜25℃という低温で、しかも雨が降るという状況がありました。これまでセミウェットのような状況で1セッションのみレインタイヤを履いた、というようなことはありましたが、このマカオでフルウェットコンディションで終日走行するというような経験は、個人的にほとんどなかったものの、雨量の多い状況下でも予想以上にタイヤのウォームアップ性能が良く、しっかりとゴムが働く温度レンジで充分なグリップを発揮することが確認出来、収穫は多かったですね。
もちろん、ウェットタイヤは摩耗に関してもまったく問題はありませんでした。今年運良くウェットタイヤのパフォーマンスが確認できたので、今後もこのスペックでの供給を継続していくことになるでしょう。

一方スリックタイヤに関しては、初日がウェットとなったことから、例年よりも路面が出来てくるのが遅く、特にスリックでの走行初日となった金曜の予選2回目にタイムが2分12秒台にとどまったのも、そのあたりの影響があったようです。しかし、決勝レースでは比較的路面温度も例年近くまで上昇しましたし、今年もコース上には何カ所か、新しく舗装がやり直された箇所が散見されましたが、そうしたμの異なる路面が入り交じった難しい市街地コースでも、ADVANタイヤはしっかりパフォーマンスを発揮してくれたと思います。
コンディションの影響もあるかと思いますが、例年に比べて決勝終了後のタイヤの摩耗が極端に少なかったことが印象的でした。路面がアグレッシブな部分が重要なコーナーになかったこと、セーフティーカーランが多かったことなどが影響していると思われますが、グレーニングもなく、良い形で各チームがタイヤを使ってくれたように思います。

今年は現行スペックの確認も充分出来ましたが、来年F3はシャシーの代替え年に当たります。来年全日本F3選手権やドイツF3などで新しいシャシーでのパフォーマンスを確認しつつ、来るべきマカオグランプリへのタイヤ供給30周年に向けて準備して行きたいと思います。
ひとつ前にもどる