Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / WTCC 2010 / Round 19 and 20 News Index
ひとつ前に戻る
WTCC Round 19&20
開催日程
2010年10月29日(金)
〜31日(日)
開催場所
岡山国際サーキット (日本)
天 候
第19戦 : 雨
第20戦 : 雨
路 面
第19戦 : ウェット
第20戦 : ウェット
決勝周回数
第19戦 : 16周
第20戦 : 16周
(コース : 3,703m)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
2008年から3年連続でWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)が日本上陸を果たした。舞台は岡山国際サーキット、レースウィークの金曜日にはテストセッションが行われ、1年ぶりにFIA SUPER2000マシンの雄叫びが日本の空に響きわたった。

2年続けて生憎のウェットレースとなっている岡山だが、今年も台風の接近に伴って天気予報に一喜一憂させられる状況が週末を通じて続いてしまった。結果的には残念ながら、決勝は3年連続のレインコンディションとなってしまった。

今回の日本ラウンド、参加台数は総勢27台と今シーズン最多。4人の日本人“SAMURAI”ドライバーたちの戦いぶりにも大いに注目が集まった。しかし、谷口信輝選手があてがわれたのはテストカーをベースに急造されたマシンで、そのコンディションは他車と比べて大きく劣るものとなっていた。しかも金曜のテスト走行ではコースイン直後にクラッチトラブルに見舞われてしまい、僅かに5周を走行したのみ。セットアップも全く進められない厳しい船出を強いられてしまった。

土曜日は、事前の天気予報では豪雨の可能性もあったが、幸いに雨はなく肌寒い曇り空の一日。朝一番のフリー走行はウェット宣言がされたものの、路面はセミウェットからドライに転じる方向で各車はウォーマーで温められたスリックタイヤでコースイン。

朝と昼、それぞれ30分間のフリー走行を経て、15時30分から予選1回目がスタート。ここでのタイムでトップ10圏内に入ると、続く予選2回目に進出出来るという流れになる。
この1回目ではBMWがトップ3を独占。トップタイムは躍進著しいコリン・タルキントン選手、これにアウグスト・ファルファス選手とアンディ・プリオール選手が続いた。

ドライ路面ということもあり、予選2回目でもテクニカルコースを得意とするBMWが速さを見せる。マニュファクチャラー登録の2台はファルファス選手が上手くプリオール選手にスリップストリームを使わせるチームワークが功を奏して、プリオール選手が唯一の36秒台となる1分36秒972をマーク、コースレコードを更新して第1レースのポールポジションを奪った。


明けた日曜日は朝からどんよりした曇り空。午前中に行われたサポートレースはドライコンディションだったものの、お昼のピットウォーク前から雨粒がコースを濡らし始めてしまう。

第1レース(第19戦)は14時30分にフォーメーションラップがスタート。ポールポジションのプリオール選手を先頭に27台が水しぶきをあげながら周回していくが、この週末で初めてのウェットコンディションということでセーフティカー先導によってスタートが切られることとなった。

2周回のセーフティカーランを経てグリーンシグナルが点灯。盛大にウォータースプラッシュをあげた隊列が1コーナーに進入、やはりアクシデントは避けられずティアゴ・モンテイロ選手(セアト)らは大きくコースを外れてしまう。
一方で3番手のファルファス選手に猛然と襲いかかったのがロブ・ハフ選手(シボレー)。サイド・バイ・サイドに持ち込むとアトウッドカーブで一気に前に出てハフ選手が2番手にポジションアップ。

シボレーはこれまで岡山で未勝利、表彰台も3位に1度登っただけと、戦績でいえば苦手としてきたコース。しかし初のシリーズチャンピオンに向けて勢いづいている今年は、岡山でも戦いの主役の座を掴んでいく。

5周目にハフ選手はプリオール選手をロックオン、右コーナーの1ターンでインをさす。そのままサイド・バイ・サイドでイン/アウトを入れ替えて左コーナーの2ターンに進入。しかしハフ選手はテールがスライド、一瞬ヒヤリとしたが巧みなリカバリーでこらえて2番手をキープする。その後もハフ選手は執拗なプッシュを続け、遂にバイパーコーナーでプリオール選手をかわしてトップを奪うことに成功した。

ここからはハフ選手がFF(前輪駆動)の安定性を活かしてリードを守り、チェコ戦以来となる今シーズン2勝目を飾ることに成功。岡山ではハフ選手にとって昨年の第1レースでの3位以来となる表彰台、シボレー勢として初の岡山制覇となった。

2番手はプリオール選手がポジションを守り抜いてタイトル争いに踏みとどまる。
そして3位に入ったのはイヴァン・ミューラー選手(シボレー)。表彰台の一角を奪い取ってポイントリーダーの座を堅守した。

YOKOHAMAインディペンデントトロフィーでは、シボレー・ラセッティを駆る谷口行規選手が日本人ドライバーとして初めて優勝を飾った。20番グリッドからスタートした谷口(行)選手は雨の中で堅実な走りを見せて着々とポジションをアップ、クラス2番手で迎えた4周目にはインディペンデントトロフィーのランキングトップを走るセルジオ・ヘルナンデス選手(BMW)をかわしてクラストップを奪う。
さらに快走は続き、10周目にはトム・コロネル選手(セアト)を捕えてプッシュ、バイパーコーナーで前に出たが、その後のレッドマンコーナーでテールがスライドしてしまう。あわやコースオフかと思われたが、しっかり踏みとどまって再びコロネル選手を追撃。そして12周目にバックストレートで横に並ぶとヘアピンで一気に先行、最後は総合11位でフィニッシュした。

また谷口信輝選手(BMW)はポテンシャルが完璧とは言えないマシンで健闘、総合21番手から14位(インディペンデントトロフィー4位)までポジションを上げてチェッカー。ペナルティにより最後尾スタートとなった柳田真孝選手は19位(同・8位)、伊藤善博選手(BMW)は21位(同・10位)と、4人の日本人ドライバーは揃って完走を果たした。


続いて行われた第2レース。生憎雨足は強まり、コースは完全なヘビーウェットとなってしまった。
リバースグリッドにより第1レースを8位で終えたミシェル・ニュケア選手(セアト)がポールポジション、セカンドグリッドにはガブリエレ・タルクィーニ選手(セアト)がついてスタートを迎えた。
ただし雨が勢いを増してコース状況が悪化したことから、本来のスタンディングスタートではなく、第1レース同様にセーフティカー先導でのスタートとなった。

スタートからハイペースで飛ばしたのはニュケア選手。その後方では激しいポジション争いが展開され、WTCCらしい接近戦と巧みなドライビングテクニックの応酬がファンを大いに沸かせた。
プリオール選手、ハフ選手が展開したデッドヒート、3周目にはハフ選手がレッドマンコーナーでプリオール選手の前に出たが、ホブスコーナーで今度はプリオール選手が逆転。4周目に入って再びハフ選手がアトウッドカーブでプリオール選手を抜くと、その後のヘアピンでプリオール選手はバランスを崩してまさかのコースオフ、グラベルベッドに捕まってこの勝負はハフ選手に軍配があがった。

7周目には5番手スタートのアウグスト・ファルファス選手(BMW)がコリン・タルキントン選手(BMW)をアトウッドカーブでインからパスして3番手に浮上。しかし8周目からコース上にストップしたマシンを回収するためにセーフティカーが導入され、激しいバトルは一旦リセットされることとなる。

9周目からレース再開。1〜2コーナーは大きなアクシデントもなく隊列が通過したが、それまでに稼いだ約4秒のマージンをセーフティカーで一気に失ったトップのニュケア選手は、プレッシャーに襲われたかアトウッドカーブで大きくコースを外れてドロップ。労せずしてタルクィーニ選手がトップの座に立つことに成功した。

逆転チャンピオン獲得のため大きな一勝に向けて有利な展開となったタルクィーニ選手。しかし11周目のホブスコーナーでまさかのコースオフ、マシンはタイヤバリアに接触して戦線離脱を余儀なくされてしまった。

これでトップに立ったのはファルファス選手。2番手のタルキントン選手との差は1.6秒ほど、この差を縮められることなく終盤の周回を重ねていく。また3番手につけていたミューラー選手はそれまで激しくタルキントン選手をプッシュしていたが、タイトルを争うプリオール選手とタルクィーニ選手が戦列を離れたことから、3番手キープに走り方を変えた。

15周目、1コーナーの先でヘンリー・ホー選手(BMW)がスピン、エンジンストール。コース上に動かない車両が現れたことから再びセーフティカーが導入され、波乱の展開を象徴するような16周のレースが終了。ファルファス選手が昨年に続いて岡山の第2レースを制し、2位にタルキントン選手、3位にミューラー選手という顔ぶれが表彰台を飾った。

YOKOHAMAインディペンデントトロフィーはシボレー・ラセッティのダリル・オーヤン選手が制して、第1レースの谷口(行)選手ともども2レースをともにバンブー・レーシングが勝利。チームにとっては最高の週末となった。

日本人ドライバーでは柳田選手が終盤で5速ミッションを失いながらも、執念の走りで15位(インディペンデントトロフィー・4位)を獲得。第1レースを制した谷口(行)選手は、何度かスピンを喫しながらも、17位(同・6位)でフィニッシュ。
第1レースをクラス4位で終えていた谷口(信)選手はインターバル中に特にセッティングなどは変えていなかったがマシンの挙動が悪化してしまい苦戦を強いられ、19位(同・8位)という結果に。伊藤選手はマシントラブルによって残念ながらリタイアとなった。



 【2010年11月19日 追記】
FIA控訴裁判所は、日本ラウンドにおいてホモロゲートされていないシーケンシャルトランスミッションを使用したとして、BMWのアンディ・プリオール選手とアウグスト・ファルファス選手について日本ラウンドの失格処分裁定を下した。
この決定により、自動的にシボレーのイヴァン・ミューラー選手がドライバーズチャンピオンを獲得することが決定した。
また、岡山で開催された第19戦と第20戦の結果については両者が失格処分とったために順位の繰り上がりが生じ、第2レース(第20戦)ではコリン・タルキントン選手がWTCC初優勝を飾った。

※本ページ記載のレポート本文、各選手のコメント、写真キャプションは裁定前の順位に基づいた内容です。ご了承ください。
Driver's Voice
ロブ・ハフ選手
 【今回の成績 : 第19戦 優勝/第20戦 4位】
何も失うものはないので、ウェットレースということもあり昨年のセットアップを参考にして勝負に出ました。シボレーチームはとても良い仕事をしてくれました。今はとても興奮しています。プリオール選手に先行されそうになる場面もありましたが、なんとかトップを守り抜くことが出来ました。
激しい戦いで何度かコースアウトしそうになることもありましたが、トップに立ってからはそのままゴールすることが出来ました。

アウグスト・ファルファス選手
 【今回の成績 : 第19戦 4位/第20戦 優勝】
今シーズンで最も厳しいレースでした。昨年の岡山ラウンドよりも難しいものでしたね。勝てて本当に嬉しいです。
(第2レースリタイアの)プリオール選手は残念な結果となってしまいましたが、チャンピオン争いはまだまだ続いていますから、諦めずに最後まで戦っていきます。

谷口行規 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAインディペンデントトロフィー 第19戦 優勝/第20戦 6位】
ミラクル、ですね(笑)。まさか前がみんないなくなるとは思っていませんでした。
勝因としては、まずマシンが良かったですね。レース1ではトム・コロネル選手とバトルも出来ましたが、ヘアピンでは並んだら押し出されてヒヤリとしました。2回目は抜いてすぐにヘアピンでスピンしかけました。進行方向に対して90度まわったのですが、ヘアピンだったのでその先が道になっていて前に行けました。
チームメイトのダリル・オーヤン選手と比べてブレーキングなどでまだまだ詰める余地があるので、その辺をもっと身につけていこうと思います。

ダリル・オーヤン選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAインディペンデントトロフィー 第19戦 2位/第20戦 優勝】
過去の2大会はいま一つの結果だったので、岡山で結果を残せて良かったと思います。インディペンデントトロフィー争いではトップのセルジオ・ヘルナンデス選手との差を少し縮められました。マカオはポイントが2倍なので、今から楽しみです。

谷口信輝 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAインディペンデントトロフィー 第19戦 4位/第20戦 8位】
第1レースは調子よく走れたのですが、第2レースでは何故か全くフィーリングが変わってしまいました。リアのグリップが無くて、ペースアップは叶わないし、セーフティカーランにもついていけないくらい。マシンには全く触っていないので原因不明です。
さらにエキゾーストも何かトラブルが起きたようで、苦しい展開になりました。

柳田真孝 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAインディペンデントトロフィー 第19戦 8位/第20戦 4位】
第2レースは最後に5速ギアが無くなってしまい、追い上げは叶いませんでした。しかしブレーキングは1レース目から良い感じで、特に1コーナーとバックストレートエンドが良くて、谷口(信)選手を抜けましたし、クリスチャン・ポールセン選手とのブレーキング競争でも勝てました。
第2レースは結構スリッピーでした。2コーナーの先あたりは川が2本あって、マシンが何度も振られて飛んで行きそうになりました。でもコンディションもタイヤもみんな一緒なので、自分もこういう時にアクセルを踏んでいかなければいけなんだろうな、と思いながら走っていました。
タイヤはドライの新品ピークグリップがとても高くてビックリしました。上がり幅も大きくて、イメージしていたよりも全然パフォーマンスが高い。もうちょっとその辺を予選で上手く使いたかったですね。ウェットタイヤもブレーキングで安定していて、思い切ってブレーキ勝負が出来ました。

伊藤善博 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAインディペンデントトロフィー 第19戦 10位/第20戦 リタイア】
1レース目はまだ雨量が少なかったので、ブレーキなどを試しながら走りました。飛び出さなければそこそこ良い結果を残せたと思うので、コースアウトしてしまったのは勿体なかったですね。レース2は雨が強まり、レース1の反省を踏まえてやってみましたが、今度はちょっとブレーキングがおろそかになってしまった部分がありました。なかなかブレーキポイントを見つけきれず、マシンを感じ取ることが出来ませんでしたね。
昨日までドライの中でいい調子でステップアップ出来ていたので、その勢いで決勝も戦いたかったのですが、雨で周りのバトルも見られないような状態で非常に残念でした。
やはり準備とコミュニケーション能力が大切です。どうしても練習する機会が無いので、準備不足という面は否めませんでした。何が必要かは見えてきたので、出来たらヨーロッパに行って色々と経験したいですね。
Engineer Voice
渡辺 晋
3年連続で残念ながら雨となってしまいました。1レース目は雨量も安定していましたが、2レース目は途中から雨足が強まってしまいましたね。タイヤメーカーとしては安定品質と安定供給で、今年も日本のファンの皆さんにもWTCCを楽しんでいただけて嬉しく思っています。
タイヤの仕様が決まってから、品質のばらつきを無くすとか、タイムリーに生産してタイムリーに輸送するというのがとても大切なことなのです。そんなことは当たり前と思うのですが、その当たり前のことが責任重大ですし、きちんと対応してくことが決して簡単ではありません。
しかしWTCCのオフィシャルサプライヤーになって5年目、最初の頃はドタバタしたこともありましたが、今では落ち着いて対応出来るノウハウもしっかり持っています。しかし、ここで気を抜かないように気をつけなければなりませんね。
来年からは1600ccターボエンジンも登場してきますが、チームとのコミュニケーションも良好なので、状況やリクエストの変化などにいつでも対応出来るように準備を進めていきます。
Photo Gallery
     
ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示
     
ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示   ラージサイズ画像表示
ひとつ前に戻る