2度目の日本上陸を果たしたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、いよいよこの週末にマカオで最終戦を迎える。
伝統ある市街地コースでの一戦であるマカオグランプリは2005年のシリーズ発足以来、WTCCがインターナショナルF3と並ぶメインレースになっている。
そして現在では両者ともにADVANがワンメイクタイヤに指定されているカテゴリー、ツーリングカーとフォーミュラそれぞれで高い性能を発揮するADVANレーシングタイヤがエキサイティングなレースを支えている。
先の岡山大会ではBMW勢が2レースともにワン・ツー・フィニッシュを飾ったのに対して、シリーズランキングリーダーであるセアトのガブリエレ・タルクィーニ選手にとっては厳しい展開となってしまった。
表彰台に全く登れなかったことタルクィーニ選手に対して、僚友のイヴァン・ミューラー選手は第1レースこそ4位だったものの第2レースでは3位表彰台を獲得。
そしてこの両選手とともにドライバーズタイトルの可能性を残しているBMWのアウグスト・ファルファス選手は第2レースで優勝を飾って逆転王座への望みをつないだ。
マカオを迎えるにあたってのランキングはタルクィーニ選手がトップを堅守しているものの、2位のミューラー選手とは僅かに2点差。そして3番手のファルファス選手との差も13点に縮まっている。
市街地という特有の環境が舞台となるマカオ、過去の戦績を見るとBMW勢が強さを見せてきていた。しかし昨年の最終戦は2レースをともにシボレーが制してラセッティが有終の美を飾っている。
さらに過去をさかのぼっても、セアトがマカオで優勝を飾ったことが一度も無いという意外な事実につきあたるのだ。
しかし、マカオグランプリは単純に過去のデータだけで語れないレースであることも事実。
アクシデントの発生を避けることはまず出来ないサバイバルレースとなることが必至のマカオ、果たして最後に笑うのは誰になるのかチェッカーまで目を離すことは出来ないだろう。
そしてドライバーズタイトル争い以上に白熱しているのがマニュファクチャラータイトルの争い。
岡山で好成績を残したBMWがトップのセアトに3点差にまで肉薄、BMWとしては昨年セアトに奪われた栄冠を取り戻すために、U.K./Germany/Italy-Spainの各チームが一致団結した戦いぶりを見せてくれることになる。
対するセアトとしては前述の通り勝ち星の無いマカオ、初優勝を飾って二年連続のマニュファクチャラータイトルを手中におさめたいところだろうが、こちらの戦いも要注目だ。
なお日本人ドライバーは、岡山に参戦した谷口信輝選手と昨年に続いてのマカオ参戦となる青木孝行選手がエントリー。この二人の活躍にも大いに期待したいところである。