熾烈なサバイバルレースとなったストリートコースでのポルトガル戦から中一週間を置いて、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は舞台を再びサーキットコースへと移す。この週末、第15戦&第16戦が開催されるのは、伝統あるイギリスのブランズハッチサーキットだ。
チャンピオンシップ争いはディフェンディングチャンピオンのイヴァン・ミューラー選手(セアト)がトップ、ガブリエレ・タルクィーニ選手(セアト)が2番手、そしてアウグスト・ファルファス選手(BMW)が3位というポジションであることに変わりは無いが、ミューラー選手とファルファス選手の得点差はポルトガル戦を終えての"12"から、"15"へと若干開く結果になった。
記念すべきポルトガルでのWTCC通算100レース目で優勝を飾ったファルファス選手であるが、安定感という面ではミューラー選手の方が確実に上位でのフィニッシュを続けてきている結果であると言える。
さて、今週末のイギリス戦には、久しぶりにWTCCにボルボが参戦を果たすことになった。
2007年、ボルボの地元であるスウェーデン戦にS60でWTCC初めて出場したボルボは、バイオフューエル燃料を使用したことが話題になった。今年からはWTCC全車がバイオフューエル燃料を使って戦っているが、環境保護とモータースポーツの両立という面では先進的な参戦を実現したのがボルボであった。
今年は昨年のイギリス大会と同様にハッチバックボディのC30で2台をエントリー。そのうちの1台を駆るのはノルウェー人として初めてWTCCに参戦することになったトミー・ラスタッド選手である。
もうひとつ、ニューフェイスという話題性ではポルトガル戦でデビューしたロシアのラーダ・プリオラについてもニュースが。
新たにラーダ陣営に加わったジェームス・トンプソン選手が駆るプリオラだが、車両重量の軽減が特認された。具体的には、本来であれば補正ウェイト40kgが課されるところを、-20kgという軽減措置が適用されることになった。
このチャンスにラーダとしては、ドライバーズポイントの獲得を目指したいところである。
最後にイギリス・ブランズハッチ戦で注目のドライバーを挙げると、一昨年までのチャンピオンであるBMWのアンディ・プリオール選手の名前を記しておきたい。
現在のランキングでは7位とやや低迷しているプリオール選手であるが、地元イギリスということで応援するファンも多い。
ブランズハッチでは2007年に優勝を飾っているだけに、2年ぶりの優勝に期待も高まるところである。