補正ウェイトの条件がイコールとなったことで、マニュファクチャラー勢の戦いは純粋に個々の車種が本来持つ性能が改めてクローズアップされる。
そうなると補正ウェイトが適用されていなかった開幕のブラジルや第2大会・メキシコの結果を参照する限りでは、やはりセアト勢が有利ということになるだろうか。
ただしセアトのターボディーゼルについては、第6戦終了後に出されていた抗議に対してひとつの決定が下された。
これはターボの過給圧に対する抗議であり、この提出を受けて第6戦の結果は留保されていた。FIAはセアトの車両に対してECUのデータをチェックした結果、ティアゴ・モンテイロ選手の車両についてはレース除外という厳しい措置が下された。
このようにマニュファクチャラー勢を取り巻く状況はやや混沌としている一方、軽さに勝るかたちになったのがYOKOHAMAインディペンデントトロフィー勢。
モロッコ戦でも予選ではマニュファクチャラー勢に混じってフランツ・エングストラー選手が好タイムをマーク、予選2回目への進出を果たして第1レースではBMW最高位となる7番手を獲得する速さを見せた。
インディペンデントトロフィー勢の中でもBMWについてはマニュファクチャラー勢に対して15kgの重量軽減が認められているため、今回も予選はもちろん決勝でも上位進出が期待される存在になるだろう。
なおフランス大会のエントリーは全部で26台。
今季初参戦となるのはSUNREDが3台目としてエントリーするセアト・レオンTFSI(ガソリンエンジン車)を駆るエリック・ケイヨール選手。1962年生まれのベテランで、ETCC(FIAヨーロッパツーリングカー選手権)や、フランスGT選手権などへの参戦を重ねてきた実力派だ。
このほか、先のモロッコでは初参戦ながら地元でのインディペンデントトロフィー初優勝を飾ったメルディ・ベナニ選手も引き続き参戦。
インディペンデントトロフィー勢の戦いぶりにも注目したいフランス・ポー大会である。