2007年のP-WRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)も最終戦を迎えた。
全8戦で開催される今季の締めくくりは、伝統の一戦「ウェールズ・ラリー・GB」が舞台。P-WRCはランキング争いは6戦有効というシステムになるため、既に6大会に参戦を終えている奴田原文雄選手は不参加となり、ADVAN装着選手はインプレッサを駆るL.クザイ選手のみとなる。
　
ウェールズの首都・カーデフで29日(木)にセレモニアルスタートが催され、WRカーなどを含む108台による戦いが幕を開けた。
明けて30日(金)はレグ1が行なわれ、ここから本格的に競技がスタート。第2の都市・スワンジーに設けられたサービスパークが拠点となる。
　
L.クザイ選手は競技に先立って行なわれた公開シェイクダウンでセカンドベストタイムをマーク。この時期のイギリスに最適な低温用コンパウンドのADVANラリータイヤも高いポテンシャルを発揮、競技本番での好走に期待が高まった。

まずは17.41kmのSS1「Port Tlbot 1」。
山々は深い霧に覆われて視界がとても限られた上に、続くSS2「Resolfen 1」では激しい雨も降り、難しいコンディションとなってしまった。
　
クザイ選手はペースを思ったように上げることが出来ず、我慢の走りを強いられる。しかし小さなトラブルはあったものの6つ設定されていたSSを走りきってレグ1をP-WRCクラス13番手で終えた。
　
カレンダーが12月に変わり、1日(土)のレグ2。
この日は7つのSSが設定されているが、空模様は相変わらずスッキリしない雨模様。スタートを迎えるころには雨足が強まり、気温も5度前後と低めに推移している。
　
3つのステージを各2回走行するかたちで6つのSSをこなし、最後に1.10kmのショートステージで終了となるレグ2。
順調に走っていたクザイ選手だったが、終盤のSS12でまさかのトラブルに見舞われる。
エンジントラブルにより炎があがってしまったクザイ選手のマシン。
幸いに火はすぐに消し止められたものの、ハーネス類を焼損してしまったためにエンジンを始動することが出来なかった。

マシンはサービスパークへと戻されたが火災によるダメージは深刻で、修理は困難であると判断された。
このため、残念ながらクザイ選手は最終戦をリタイアという無念の結果で終えることになってしまった。