シープスキンは、堅牢性といった面では牛革に比べると弱く、極度に薄くすると
破損につながる恐れがあります。
私たちは長く安心してご使用いただける製品をリリースすることが使命であると
考えていますので、素材の厚みをある程度を確保することにしました。
各パーツを接合する糸にも配慮し、通常は化繊糸(これでも強度は十分)を使
用するところを更に耐久性に優れる高級糸のビニモ(グローブにはあまり使用し
ません)を採用し、摩擦による対損断性を格段に高めています。
また、グローブに求められる耐久性は堅牢性だけでなく、経時劣化に対するア
ンチエイジング性も重要です。
発汗による弛緩(伸び)と、乾燥による凝固(収縮)を繰り返す革素材は、想像
以上にシビアな環境にさらされます。
そこで私たちは、時間的な経過に耐えうるよう、高級素材キュプラを用いた裏地
の採用に踏みきりました。これにより手の汗が直接革に掌が触れないため、汗に
よる浸潤を減らし、革の劣化を軽減させています。
また、革と裏地は特殊なのりで接着しているため、革の劣化要因といえる「伸び」
の対策にも役立っています。