Close Up Development(ドライビング・アイウェア編)
   雲ひとつない晴れ渡った朝。幾度となく訪れたワインディング。

   降り注ぐ日差しは直接光として、時にはボンネットや対向車のウィンドウ、遥か眼下
   の湖面や美術館のオブジェに照返した反射光としてコックピットに襲いかかり、ドラ
   イバーは思わず目を細める。

   ドライビング・アイウェアは、直接光と反射光による眩しさをカットし、快適な視界を
   確保することが基本機能。

   迫りくるコーナーを確実に見極め、ミスのない確かなドライビングを実現したい・・・。

   私たちは、「信頼」「確かさ」をあらわす「シュア」という言葉にコンセプトを重ね合わせ、
   開発を進めていくことにしました。

   このコーナーでは「ドライビング・アイウェア」の開発秘話や歩みを振り返ります。

 
 
  三つの大切なニーズ

  
    私たちは、まず「ドライビング・アイウェア」に求める性能について愛用者の声を徹底調査しました。貴重な意見を精査したところ、
三つ
    の大切なニーズが浮かび上がりました。

    @歪みのないクリアな視界を確保したい。⇒ デザイン性よりも優れた視界を優先。

    A日差しの照り返しによる眩しさをカットしたい。⇒一点を見据えるための究極的な偏光性能ではなく、全般的な防眩性能が欲しい。

    B長時間装着しても疲労が少ないものが良い。⇒ スポーツなどの激しい動作への追従よりもストレスフリーな掛け心地にこだわる。

  歪みのないクリアな視界の確保

 
   
ドライビング・アイウェアの基本は、眩しい光の低減です。

    ところが、ドライバーへのヒアリングを重ねる中で、レンズの屈曲率がシュアなドライビングを阻害することがわかりました。「裸眼では
   
問題ないのに、アイウェアを装着すると頭痛がする」。数多の声に注目しました。
   
    最近、多く見かけるようになった顔のカーブに沿った有機的デザインのアイウェアは、高い屈曲率のレンズを使用することになり、
   結果として歪んだ視界を生み、さらには頭痛やめまいの原因となることがわかったのです。俗に言うプリズム現象です。

    ディセンターと言う手法で歪みを補正することは可能なのですが、完璧に歪みを取り去ることはできません。

    デザイン性を優先するあまり、歪みが出るようでは不快感につながり、シュアなドライビングを実現できないのではないか・・・・・。

    私たちは、眩しさのカットという基本的な機能を追求する前に、歪みの抑制について考えることにしました。

    最終的には曲率の小さいカーブで構成したデザインと、光学特性に優れるレンズ素材との組み合わせに解決策を見出しました。

    検討したレンズ素材は、CR偏光、ポリカーボネート偏光、ウレタン系偏光、トリアセテート偏光など4種類にわたります。

    結果として、最も歪みがすくなく、ナチュラルな視界を確保できたのがプラスチック系のCR偏光レンズでした。優れた光学特性を持ち、
   非常に歪みの少ない自然な視界を実現します。私たちは、CR偏光レンズ(CR39)の採択を前提に、歪みだけではなく眩しい光の低減
   に効果があるのか?検証を重ねました。

  日差しの照り返しによる眩しさをカット

   偏光レンズは、薄さわずか30ミクロンの偏光膜という特殊なフィルムを挟み込んであり、水平方向の反射光を取り除き、雑光のない
   澄んだ心地良い視界を確保することができるのです。

    今回ADVANアイウェアに採択したCR偏光レンズは偏光度が98%以上の高い性能を有するもので、シュアなドライビングの阻害要因
   である反射光の眩しさを軽減します。
   
   ETCやナビゲーションがフロントウインドウに映りこまないクリアな視界はきっとドライビングに新しい発見をもたらすことでしょう。

    さまざまな光の条件下でフィールドテストを繰り返して採択されたレンズは、ドライバーのためのオンリーワン・セレクションです。

  直接光のカット
   CR偏光レンズは、歪みの抑制のみならず反射光のカットについても高い性能を保持していることがわかりました。では直接光のカット
   についてはどうなのか?

    私たちは引き続き、レンズの可視光線透過率について検討を続けました。

    可視光線透過率は、単純な光の眩しさの度合いのことで、低くなるほど光を通さないことを示します。直接光の眩しさの低減は、
   可視光線透過率に反比例し、透過率が高ければ明るい視界、逆に低ければ暗い視界になるということです。

    直接光の眩しさを抑えることに重きを置くのか?あるいは明るい視界の確保を優先するのか?

    可視光線透過率についても徹底的にドライバーの視点で考察を進めていきました。

    30%以上の明るい透過率と高い偏光性能を両立したレンズも存在しますが、反射光の低減はできても、直接光の眩しさを抑えるには
   限界があります。さまざまなレンズを試してみても、20〜30%の透過率ではダイレクトに太陽光線を受け止めたときのフィーリングに
   違和感が残りました。

    ドライバーの使用状況を考え、違和感を取り除くべく、可視光線透過率を15%に設定しました。この数値は暗い視界の部類に入ります
   が、カタログスペックでは測れないフィーリングを重視した結果なのです。

  紫外線のカット
    充血・角膜炎など、眼に悪影響を及ぼす紫外線。有害な紫外線透過率の低減にも私たちは積極的に取り組みました。

    UVカット機能は業界標準の1%未満からさらに低減し、わずか0.1%未満を実現しました。ADVANアイウェアを装着すると、紫外線
   を99.9%カットできる計算になります。 オープンエアでのドライビングでも、ドライバーの眼を紫外線から守ります。

  長時間の装着でも疲労が少ない
   
   長時間の装着でもストレスフリーなアイウェア。

    私たちは絶対的な軽さではく、各部位のトータルバランスによって疲労低減を実現
    するアプローチを採択しました。

    レンズの重さとテンプルの重さの相対バランスの調合。モダンの素材と形状、ノーズ
    パッドとクリングスの関係、ヨロイの屈曲角度・・・細部を徹底的に突詰めることで、
    高度なストレスフリーを実現しました。

    また、著名なブランドでも、チタンはフロントリムのみで、テンプルにはニッケル合金
    という組み合わせが多い中、ADVANはフレーム構造ではブリッジを除くすべての
    部位をチタン化。耐久性の追求にこだわりました。

    チタンは、耐久性だけでなく耐食性に優れていることで金属アレルギーが起こりにくい
   特性も持ち合わせており、ストレスフリーの実現に貢献しています。

  デザインコンセプト
   
    セレブリティ御用達として支持を得ているブランドはみな、古典的手法に則ったクラシカルタイプのデザインを堅守しています。

   なぜでしょうか?

    一瞬の輝きを狙うだけなら奇抜なデザインを纏えば良い。
   しかし、本当の美しさを理解する人からは決して支持されることはありません。

    ADVANの目指すドライビング・アイウェアのデザインはどうあるべきか?

    トレンド重視?それともインパクト?・・・・。さまざまな切り口からデザインコンセプトを検討しました。

    私たちは迷わず「クラシカルモダン」というコンセプトを選択しました。

    長く愛用しても決して色褪せず、先進性をも持ち合わせる。ADVANが立ち止まることを許されないブランドであるが故の決断です。

    普遍的なデザインを骨格として最先端のトレンドまでも反映させていく。

    難題にも挑むADVANは、伝統的なティアドロップ形状に光学特性ぎりぎりまで攻め込んだスクエア要素を持たせ、テンプル部の
   左右非対称立体透かし彫りと、フィレット加工を施したビクトリーブリッジの表現を試みました。

    これらのデザインワークはクラシカルモダンとしての普遍美を突詰めたADVANの答えなのです。

  Made in 鯖江

    日本が誇るアイウェアの産地、福井県鯖江。 鯖江はいまやMade in Japanアイ
    ウェアの約96%を生産しています。

    海外の老舗ブランドもライセンス生産を鯖江に依頼する背景には、多くの熟練した
    職人、技術、そしてこだわりが他を圧倒しているからです。

    金型、プレス加工、ロウ付け、研磨、表面処理、製品検査・・・。どの工程をとっても
    世界トップレベルのクオリティです

    私たちは鯖江以上の技術を提供してくれる産地を知りません。

    ADVANドライビング・アイウェアのテンプル部には「Made in Japan」と印されて
    ています。本来ならば「Made in Sabae」であるべきかもしれません。

    なぜならば、部品製作から組み立てに至る全ての工程をADVANは鯖江で行った
    のです。部品は他国、最後の組み立て工程のみ日本で行いJapan Madeを刻印して
    いるものとは生い立ちが異なるからです。

  クラフトマンシップ
    ADVANドライビング・アイウェアの高難度デザインは、鯖江の技術なしには実現しなかったと言っても過言ではありません。鯖江
    技術の根幹とは ・・・

    @ハイスペックのマシニングセンターやプレス機器などの最新機材
    A高度なデザインを産み出してきた経験とデザインへの理解。そして繊細な感性
    B一切の妥協を許さない職人魂

    中でも妥協を許さない姿勢には、私たちは畏敬の念すら感じます。

    0.1mmの誤差をも許さない金型精度へのこだわり、均一した錬度の高いプレス精度へのこだわり、ロウ付・研磨・表面処理など細部
    仕上げ品質への情熱、プライマーからトップコートまで微細な工程を経て丁寧に塗装される染色への配慮、そしてキズやバランス
    など出荷前の品質管理に関する高いモラル。

    「ものづくり」とはどういうものか。

    ADVANドライビング・アイウェアには、鯖江のクラフトマンシップが随所に魂入されています。

  Change your visibility.
   
    ただの色つきのサングラスではなく、徹底的に機能を突詰めてドライバーのために開発されたADVANドライビング・アイウェア。
    「シュアなドライビング」を引き出すツールとして自信を持ってリリースできる逸品を創りあげることができました。

    当たり前だと思っていたウィンドウ越しの風景が劇的に変わる感動をクルマを愛するみなさまに届けたい。

    ADVANドライビング・アイウェアは、7月1日から正式発売を開始します。

    「いつもの道が違って見える・・・・」その感動をぜひご体感いただければ幸いです。


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